北海公園見物
A はい、北海公園でございます。
B ほら、あの島の中央にそびえる白い塔がきれいですね。
A あれ白塔といいます。北海公園のシンボルでございます。
C 北海公園ももっとも皇室の庭園だったのでしょう。
A はい、10世紀ごろからもう皇室の庭園でございました。
C でも、この白い塔はほかの建築物と比べてちょっとちがいますね。
B へえ、というと?
Cほら、むかしの皇室のものだったら、ほとんど瑠璃瓦の屋根で遠くからみても眩しいほど黄色に輝いているものばかりではないですか。
B なるほど。ここの屋根つきの門をみてもそうですね。
C ところが、この塔の場合は、デザインもユニークだし、いろもぜんぜんちがいますね。
A おもしろいでしょう。実は、この塔は1851年に建立されたラマ教の仏塔でございます。ラマ教はチベット仏教ともいいます。
B あっ、そうですか。緑のなかに白い塔が立って、なかなかいいですねえ。
C 北海公園は緑が多いですね。それに美しい楼閣や亭が点在していて自然味たっぶりですね。
A こちらへどうぞ、ご覧ください。この壁は九竜壁をいいます。昔、竜は皇帝のシンボルとして、故宮にも庭園にも、皇帝の身なりのものにも、とにかく皇帝や皇室に関係のある場所や品物にはよく竜の姿がみえたのでございます。
C 九竜壁というと、竜は九頭あるとのことでしょうね。さあ、数えてみましょう。一、二、三、...、まあ、なかなか数えにくいのね、身をくねらせていて...、八九。はい、確かに九頭ですね。
B あのう、中国の各地にも九竜壁があるようですが、こちらのほうが一番大きいのですね。
A いいえ。山西省の大同市にある九竜壁は、こちらのよりも歴史が300年ほど古いし、規模も大きいし、それに竜も五色ものなのでございます。
B パンフレットによれば、こちらの九竜壁は長さ27メートル、高さ5メートルとのことですが、大同のは、どのぐらいなんですか。
A 大同の九竜壁は長さ45.5メートル、高さ8メートルだといわれております。
Bすごい。これよりずっと大きいようですね。
C やっぱりね。