海南島及び天地の果て
C蒸し暑いですね。
Aはい。海南省は熱帯性気候なので、昼間がちょっと蒸し暑いかもしれませんが、夜はそれほど暑くはございません。
B海南島には熱帯森林自然保護区が多いそうですが。
Aはい。それだけでなく、熱帯経済作物園や研究所などもございます。
C海南島にはどんな動物が多いのですか。
A主に、鹿、こさぎ、猿、手長猿、九官鳥などでございますが、それぞれ自然保護区を持っております。
Cまあ、うらやましいわ。
B海南島は物産もほうふですね。ゴム、サイザル、コーヒー、ココアのほかに、椰子、バイナップル、ながみパン、レイシ、竜眼、グワーバ、マンゴー、びんろう、カシューナッツなどがあるようですね。
A海南島は観光地としてもその名がよく知られるようになってまいりました。
C海が見えてきましたわ。
A三亜に着きました。どうぞバスを降りてください。
Cあら、すてきな砂浜ですね。柔らかくて。
B靴を脱いで素足で(はだして)あるいてもいいですか。
Aはい、けっこうでございます。
Cまあ、気持ちのいいこと。
A今度は天地の果てへご案内いたします。
Bへえ、天地の果てとは、どういうことですか。
Cあらまあ!この海辺によくもまあこんな大きな花崗岩ありましたね。
Aご覧ください。巨岩には何か字が刻まれていますよ。
Bうん、右側の岩には「海角」で、、、
Aはい。もう一つの岩には「天涯」でございます。一つにして、「天涯海角」となります。これは程哲という清の時代の
地方官が1773年に書かれたものだといわれております。
C「天涯海角」って、どんな意味ですか。
A「涯」も「角」も同じく「果て」と言う意味でございますので、、、
Bあっ、分かりました。つまり、ここまでに来ると、もう天地の果てに来てしまうと言う意味でしょうなあ。
Aはい。そうなのでございます。
Cあっ、ここにも字の彫ってある岩がありましたわ。
Bうん、「南、天、一、柱」でしたね。
Cなるほど。柱らしい柱とは言えないけれども、平らな海辺に突っ立っているものだから、柱と言ってもいいようですね。
Bやっぱり所が変われば、話も変わってきますね。
A三亜港のほうへ参りますと、もう一つ名所がございます。「鹿回頭」と言う山でございます。では、バスに乗ってまいりましょう。
Bあっ、海辺に近い所に山が見えてきました。あれが、いまはなされた「鹿回頭」と言うやまでしょう。
Aはい。
Cそう、よく見てみたら、確かに後ろを振り向いて何かを眺めているし鹿のいうにみえますわ。で、何か伝説もあるのでしょう。
Aはい。これはリー族の若者の話でございます。昔、あるリー族の若い狩人が一頭の金色の鹿をここまで追ってきました。追い詰められたしか波及に後ろを振り向いて、美しいリー族少女に変わり、若い狩人に微笑みました。そこで、二人は結婚して、ここを美しい所に変えましたとか。
C美しい話でしたわ。
B個々の海もきれいですね。水泳にいい所ですよ。
Aはい。この辺りは大東海といいます。ホワイに勝るとも劣らぬ海水浴場でございます。冬の水泳にはまたとないよい場所でもございます。
Bそうですね。
Aはい。もう時間でございますから、そろそろ猿の島へ参りましょう。
Cどうして4時前につかなくならないんですか。
A猿が日に二回ほど山を降りて食事をすることになっておりますが、一回目は午前の9時で、二時回目が午後の4時でございますので、4時前につけば、猿を見るには都合が言い訳でございます。
C間に合うでしょうか。
A大丈夫だと思います。もうすぐでございますから。
Cあら、係員が餌を持ってきましたわ。バナナでしたね。
B面白いなあ。口笛で猿を呼んでますね。
Cああ、来た来た、大勢きましたわ。家族連れのもいますし。
A石のベンチに腰掛けて見物してよろしゅうございますよ。
Cあのう、子猿に何かやりたいんですが、大丈夫ですか。
B大丈夫でしょう。ほら、ほかの観光客もやってるでしょう。
Cかわいい!
Bあのう、ちょっとすみませんが、五指山のほうへも寄るんですか。
A今日は時間の関係で、もういけませんが、明日は参ります。
C五指山は峰が五つあって、ちょうど五本の指のような形だと聞いていますが。
Aはい。高さは1867メートルで、海南島では一番高い山でございます。山に登ったら、一日に四季折々の気温が感じられます。
Bそれはどういうことですか。
A山に登ると、朝の涼しさ、昼間の暑さ、夕方の暖かさと夜の寒さを味わうことができるのでございます。
C五指山にリー族の村があるそうですが。
Aはい。ふもとのリー族の村に行くと、リー族にお酒やお茶を楽しむこともできます。
B楽しみですね。