児童虐待６万件近く 過去最多
7月26日 17時21分

児童虐待が増え続けています。ことし3月までの1年間に全国の児童相談所が把握した児童虐待の件数は6万件近くに上り、これまででもっとも多くなったことがわかりました。
「児童相談所です。」「玄関のかぎを開けてください。」
おととい、さいたま市の児童相談所などが行なった訓練です。子供が虐待を受けているおそれがある家庭に強制的に立ち入り、保護する手順を確認しました。相つぐ虐待から子供を守ろうと、関係機関は対策に追われています。
厚生労働省がまとめた全国の児童相談所が把握した児童虐待の件数です。昨年度は、59862件で統計をとり始めた平成2年度以降もっとも多くなりました。
「虐待に対する意識が高まってケースがいわば掘り起こされると、たぶんそれだけではないと。実際に実質上その虐待とかネグレクトといったような事例が増加してきていることを反映している。」
一方、厚生労働省は、去年3月までの1年間に虐待で死亡した51人のケースを分析しました。亡くなった子供の半数ちかい23人は0歳の乳児でした。未成年の母親や望まない妊娠をした母親が出産したあとに放置したケースが多く、行政の支援などを受けないまま孤立している母親が目立つということです。
「子供に対して、どうしていいわからずに放置して。新生児の段階で子供が亡くなるといったような事例も少なくないんですね。妊娠期からの支援体制、そこをどれだけ強化していくかということが、やはり重要な課題だというふうに思います。」
厚生労働省は全国の自治体に対し、産科などの病院と連携して虐待につながるおそれがある妊婦を見つけだし、支援につなげるといった虐待を未然に防ぐための取り組みを強化するよう求めました。