第五章 日本の交通
第二節 海上と空の交通
第二節 海上と空の交通
日本の海上交通には、瀬戸内海航路や沿岸航路があり、これらは古くから発達していた。
日本では、輸入・輸出を支えるのが海運業である。日本の船舶保有量は2,210万トンで、世界の4.6%を占めているが、ここ10年以上、下落傾向が続いている。主な港は神戸・千葉・名古屋・大阪・北九州・横浜・苫小牧などである。
日本の航空機による旅客と貨物の輸送量は多く、とても便利で、日本航空と全日空は主な航空会社である。国内線は、東京を中心にして、札幌、大阪、福岡などを結ぶ航空路が幹線となっており、大阪、福岡からさらに四国、中国の各県を結ぶ国内線がのびている。国際線は、日本は東アジアにおける国際航空路の一つの中心となっており、日本から、アメリカ、中国、東南アジア、ロシア、ヨーロッパなどに通じる航空路が開かれており、世界の多くの国々の航空機が日本の国際空港に出入りし、成田東京国際空港と関西国際空港などが日本の空の玄関になっている。
しかし、成田空港は24時間稼働できないことや、国内線との乗り継ぎが非常に不便なことから、国際ハブ空港として十分に機能していない。関西国際空港や新千歳空港などの機能分担の必要性が指摘されるとともに、三大都市圏でのハブ空港の拡充整備が重要課題とされている。また、2005年、中部国際空港(愛知県上常滑)ができているため、運輸が緩和されている。
実は、国内では旅客輸送手段で輸送量が最も多いのは自動車で、次は鉄道である。航空機・船舶の比率は少ない。1994年度には、自動車66.0%、鉄道29.1%、航空機4.5%、旅客船0.4%となっている。貨物輸送量では、自動車が最も多く、次は船舶である。鉄道輸送の比率はかなり少ない。1994年度には、自動車51.5%、船舶43.8%、鉄道4.5%、航空機0.2%となっている。