ここでは主に商談の最終段階である金額提示の場面を取り上げました。受けるときは「けっこうです」でいいのですが、断るのは難しいものですし、様々なニュアンスの断り方が存在します。また、取引先からの贈り物や接待に対して、ビジネスマンはどう対応すればいいか、この章を参照してください。
常套表現と解説
1、 商談
(1) はっきり断る
<無理な要求を拒絶する>
取引先:この線でお願いしたいのですが、・・・。
李 :申し訳ございませんが、ご希望には添いかねます。
取引先:そこを、ぜひ何とかお願いします。
李 :残念ですが、この線は当社としてもお譲りするわけにはまいりません。
<再度の譲歩を迫る>
取引先:このくらいでいかがでしょうか。
李 :ご無理をおっしゃらないでください。これではとても話になりません。
取引先:私どもといたしましても、最大限の譲歩をいたしたつもりですが、・・・。
李 :しかしながら、これではお受けいたしかねます。再検討願えませんか。
<限定して断る>
取引先:いかがでしょう。この案では?
李 :申し訳ございませんが、この条件では当社としてはお受けできないので、今回は見送りということにさせてください。
取引先:そうですか。残念です。
李 :また、次の機会にと。
常套表現と解説
・ このくらいでいかがでしょうか
この線でお願いしたいのですが
このくらいで折り合えないでしょうか
これで何とかお願いしたいのですが
・ ご希望には添いかねます
ご無理をおっしゃらないでください
これではとても話になりません
これではお受けいたしかねます
今回の件に関しては見送らせてください
今回は見送りということにさせてください
・は商談の場での金額提示に使われる常套表現です。さて断り方ですが、・は曖昧さを残さないはっきりした断り方で、強く相手に譲歩を迫るときに使われます。ただし、商談決裂という事態も覚悟した言い方ですから、いつどのように使うかは慎重に検討した上で使った方がいいでしょう。
なお、「今回は~」や「今回の件に関しては~」は次回に含みを残した断り方で、この中では比較的柔らかい断り方になるでしょう。