ここで取り上げるたのは、部下や同僚へ作業や決定を急がせるときの言い方、取引先への催促の仕方です。この種の言い方は一歩誤ると、相手側との人間関係を壊してしまう恐れを常にはらんでいます。しかし、催促の仕方には日本的なノウハウがありますので、この章でそれを学んでください。
1、 会社内での催促
(1) 部下への催促
<部下に作業を急がせる>
課長 :急がせて悪いんだけど、もうコピーは終わった?
李 :すみません。もうすぐ終わります。
課長 :じゃ、できるだけ急いでね。会議に間に合わせなければならないから。
李 :はい、かしこまりました。
課長 :じゃ、がんばってね。
<部下に連絡を急がせる>
課長 :A君からはまだ何の連絡も入っていない?
李 :ええ、まだ、何も。
課長 :そう。じゃ、悪いけど、私が電話を待っていると、彼に電話を入れておいてもらえない?
李 :はい、すぐ入れておきます。
<作業の進行を確認>
課長 :企画案の件だけど、どうなってる?
李 :はい、大筋は固まったのですが、もう少し細部について検討しなければならないことが残っています。
課長 :そう。じゃ、概略だけでもいいから、提出してくれない?
李 :はい、かしこまりました。
<作業の現場を見回りして>
課長 :ご苦労様。会場の準備は順調に進んでいる?
李 :はい、ほとんど終わりました。
課長 :そう。じゃ、よろしく頼むよ。
李 :はい、かしこまりました。
常套表現と解説
・ 急がせて悪いんだけど
・ ○○の件だけど、どうなっている?
○○の件だけど、進行の方はどうですか
ご苦労様。○○は順調に進んでいる?
部下に対する催促といっても、「早くしろ」「まだできていないのか」などといった言い方をすると、部下との信頼関係が崩れてしまします。そこで、・のような前置きを置いてから、励ますように催促するというのが上司の心得でしょう。
・は仕事の進行を確認しながら、作業の進行を急がせるときの言い方ですが、その時も「ご苦労様」とか「がんばっているね」とか「忙しそうだね。がんばれよ」とか、部下をねぎらう言葉を忘れないようにしましょう。上司のこんな何気ない一言が、部下にはうれしく、また励みになるものです。