2、 取引先への催促
常套表現と解説
(1) 打ち合わせ内容の進行の催促
李 :先日お願いしました○○の件ですが、そのどうなっておりますでしょうか。
取引先:ええ、今、上司とも検討中ですが、一両日中にはいいお返事がさし上げられるのではないかと思っております。
李 :ありがとうございます。では、お返事をお待ちしております。
(2) 返事の催促
李 :あのう、催促がましくて誠に恐縮なのですが、○○の件、確か今週中にお返事いただけるとのことだったと思いますが、・・・。
取引先:あっ、連絡が遅れまして、申し訳ございません。
李 :いいえ、あのう、それでどのような結論になりましたでしょうか。
取引先:それが、まだ検討中でございまして、・・・。
李 :そうですか。それで、目途としてはいつごろになるでしょうか。
取引先:もう、二、三日お待ちいただけませんか。
李 :では、そのころもう一度お電話さし上げますので、よろしくご検討をお願いいたします。
(3) 支払いの催促
李 :昨日がご入金いただくお約束の日だったと思いますが、何か手違いでもございましたでしょうか。
取引先:申し訳ありません。近日中にはなんとかいたしますので・・・。
李 :誠に申し上げにくいことなのですが、上司は入金がこれ以上遅れるような会社には、もう納品しないと申しておりまして、担当者として私も困っております。
取引先:申し訳ございません。今日中に振り込ませていただきますので、その旨お伝えください。
李 :では、よろしくお願いいたします。
(4) 支払い督促状の例
現在○○○○のお支払いが弊社にて確認できておりません。お支払いがお済でないお客様は、早急にお支払いをお願い致します。
また、お支払いの方法は、コンビニ、郵便、および銀行振込の払込取扱票をお持ちの方は用紙の支払期限が過ぎていても今回はお支払いができます。払込取扱票がお手元にないお客様は、下記口座にお振込をお願い致します。
なお、この、料金確認メールが届く前にお支払済みの場合はご容赦くださいますようお願い申し上げます。
常套表現と解説
・ 催促がましくて、誠に恐縮なのですが
大変申し上げにくいことなのですが
・ 先日お願いしました○○の件ですが、そのどうなっておりますでしょうか
○○の件、確か今週中にお返事いただけるとのことだったと思いますが、・・・
○○日がご入金いただくお約束の日だったと思いますが、何か手違いでもございましたでしょうか。
・ よろしくお願いいたします
お返事をお待ちしております
よろしくご検討をお願いいたします
いくら催促とは言え、相手を攻めるような言い方をしたのでは取引先との関係が壊れてしまいます。最後まで丁寧で丁重な依頼調ではなしを勧めましょう。
そこで、前置きによく使われるのが、・のような丁重な前置き表現です。「催促がましくて、誠に恐縮なのですが」といっても内容が催促であることに変わりはありませんが、遠慮がちに用件に入っていくテクニックとして覚えておいてください。また、ここは「年度末に入金いただくとのお約束だったと思いますが、何か手違いでもございましたでしょうか」のように婉曲に内容に切り出している点に注目してください。この「何か手違いでも?」は応用度の高い言い回して、相手に非があってもそれを責めないで、相手を配慮し、相手側の事情を最初に尋ねる表現になります。その方が相手の胸にはずしんと来るのです。つまり、直接的な表現を避けて婉曲な表現をした方が、日本語らしくなりますし、また、ビジネス世界では適切です。
なお、話の終わりには必ず「よろしくお願いします」など、・のような依頼の言葉を付け加えることをお忘れなく。