ここで取り上げるのはビジネス電話の基本型です。ここでは取引先から会社にかかってきた電話の応対を、受話器を取り上げたときから受話器を置くまで、会話の流れに沿って取り上げていきますが、ビジネス電話の応対はそのまま覚えてしまうのが一番の早道です。また、ビジネスでの伝言は日常会話での伝言の仕方と少し違うので注意しましょう。
1、 最初の応対
(1) 基本型
李 :はい、○○(社名)です。
取引先:○○社の△△(名前)と申します。いつもお世話になっております。営業課長の木村様をお願いしたいのですが。
李 :△△様でございますね。ただ今代わりますので、少々お待ちください。
(2) 午前中にかかってきた電話
李 :おはようございます。○○(社名)です。
取引先:あのう、申し訳ございませんが、営業第一課の李様をお願いしたいのですが。
李 :李は私ですが、失礼ですが、どちら様でございましょうか。
取引先:申し遅れまして、私、○○社の△△(名前)と申します。
(3) 電話を取るのが遅れたとき
李 :待たせいたしました。○○(社名)です。
取引先:お忙しいところを申し訳ございませんが、私、○○社の△△(名前)と申します。営業部長の佐藤様をお願いしたいのですが。
李 :申し訳ございません。佐藤はただ今電話中ですので、このまましばらくお待ちいただけますか。
(4) 他部署あての電話を受けたとき
李 :はい、○○(社名)です。いつもお世話になっています。
取引先:私、○○社の△△(名前)と申します。人事課の藤井様をお願いしたいのですが。
李 :申し訳ございません。こちらは営業課ですので、人事課の方にお回しいたします。そのままお待ちください。
取引先:お願いいたします。
・・・(電話を取り次ぐ)・・・
藤井 :お電話代わりました。人事部の藤井ですが、・・・
(5) 担当外の電話を受けたとき
李 :○○(社名)です。
客A :あのう、先日、そちらで買ったパソコンの調子がどうもよくないんですが、それでお電話を。
李 :どうも申し訳ございません。ただ今、担当の者と代わりますので、少々お待ちください。
客A :わかりました。
・・・(電話を取り次ぐ)・・・
担当者:お待たせいたしまして、申し訳ございません。担当の山田と申しますが・・・。
(6) 電話の声が聞き取りにくいとき
李 :はい、○○です。
取引先:○○社の△△と申しますが、・・・□□△△××・・・。
李 :あのう、申し訳ございません。少しお電話が遠いようなのですが、・・・。
取引先:あっ、申し訳ありません。
・・・(大きい声で)・・・
私、○○社の△△と申します。
常套表現と解説
・ はい、○○(社名)です。
おはようございます。○○(社名)です。
待たせいたしました。○○(社名)です。
・ 私、○○社の△△(名前)と申します。××課の△△様をお願いしたいのですが
私、○○社の△△(名前)と申します。××課の△△さんをお願いします
・ 失礼ですが、どちら様でしょうか
少しお電話が遠いようなのですが
・ △△様でございますね。ただ今代わりますので、少々お待ちください
△△はただ今電話中ですので、このまましばらくお待ちいただけますか。
こちらは営業課ですので、××課の方にお回しいたします
ただ今、担当の者と代わりますので、少々お待ちください
これらはビジネス電話の定型ですから、そのままケース毎に覚えて使ってください。なお、電話を掛けた側が先に社名と氏名を名乗るのが礼儀ですが、うっかり言い忘れる場合もあるでしょう。そんなときは、「申し遅れました。私は~」と非礼を詫びるようにしましょう。また、相手の声が小さかったり、電話の騒音がひどくてして、電話がよく聞き取れないときは、「申し訳ございません。少しお電話が遠いようなのですが、・・・」が定型です。あくまで電話の状態がよくないことを伝えればよく、これで十分意味は伝わりますから、「もう少し大きい声で話してください」などの言葉は使わないようにします。