Lesson10:おばちゃんの関西弁
今回はおばちゃんの関西弁です。
関西では中年女性の事を「おばちゃん」とか「おばはん」と呼びます。
しかし、今回紹介する「おばちゃん」はただの中年の女性ではありません。
過去に「オバタリアン」などと呼ばれた事もあります。しかし、その言葉は死語となってしまっても彼女達は生息しているのです。
さて、関西でちょっと顔の利く店に久しぶりに顔を出した時の会話を見てみましょう。
おばちゃん:「いや~、お兄ちゃん。久しぶりやな~。待っとったんやで~」
にっしゃん:「ごめん、ごめん。元気やった?」
おばちゃん:「元気一杯、胸オッパイや。はよ、座り、座り」
待ってたなんて絶対に嘘です。
有名人がお店に来た時も同じ様なリアクションなのが、関西のおばちゃんらしいです。
普通の客と有名人を区別しません。
おばちゃん:「いや!待っとったんやで~。いつうちに来てくれるんか思うて~」
絶対に待ってません。
おばちゃんは、道で有名人を見ても一緒です。
おばちゃん:「いや!いつもテレビで応援してるんよ。頑張りや!」
応援している割りには、その有名人の名前を知らない事が多いです。
先日、通勤途中に見かけたキャリアウーマン風のおばちゃんとサラリーマン風のおっちゃんの会話。
どうやら、満員電車の中でおばちゃんが新聞を読んでいた事に腹を立てた様です。
おっちゃん:「新聞ぐらい家で読めや。迷惑やろ?」
おばちゃん:「家で読めるんやったら、家で読みます!家で読まれへんから、今読んでるんでしょ!」
思わず、「おい!」とツッコミたくなる様な理屈です。
家で読めないのは仕方ないにしても、迷惑を考えないあたりがおばちゃんです。
関西のおばちゃんは、自分が悪い事をしていても、絶対に自分の非を認めません。
しかもかなり我侭です。
以前、私の同僚が新幹線の自由席に座っていた時の事です。
結構、混み合っており、立ち乗りの乗客も何人かいる状況だったそうです。
同僚がトイレに行く為に席を立ちました。その時、小さなカバン(貴重品は入っていない)を席の上に置いて行きました。
用を終え席に戻ってみるとなんとおばちゃんが座っているじゃないですか。カバンは荷物棚に移動されていました。
同僚が声をかけようとした瞬間
おばちゃん:「ここは自由席やから、誰が座っても自由なんです!」
かなり攻撃的です。
呆れて物も言えないというか、周りの人もその一言に振り返ったらしいです。
とある有名人夫婦が、某テーマパークのイベントを見に行った時などは、指定席にも関わらず、関西のおばちゃんが座っていたそうです。
有名人 :「あの~、ソコ僕達の席なんですけど…」
おばちゃん:「あっ!あんたテレビ出てる子やろ?知ってんで」
有名人 :「はあ、ありがとうございます。で、その席なんですけど…」
おばちゃん:「あんたら有名人なんやから、私らに席くらい譲ってくれたってええやん」
有名人 :「何言ってるんですか?ちょっと空けて下さいよ」
おばちゃん:「ちょっと!何すんの?やめて!助けて!やめへんねやったらゴネたろか?」
呆れてるばかりです。
その後有名人は係りの人に来てもらい、そのおばちゃんを排除しようとしたらしいのですが、そのおばちゃんは「いやや!絶対のかへん!うちらが先に座ったんや!」(当然指定席です)と叫んでその場を頑として動こうとしなかったみたいです。
駐車違反の取締でもかなりの無茶を言います。
おばちゃん:「ちょっと、ちょっと!うちの車に何すんの?」
警察官 :「この車、お宅のですか?駐車違反ですよ」
おばちゃん:「ちょっと停めただけで何でそんなやいやい言うんよ。おかしいわ!」
警察官 :「いや、おかしいわって…。法律で決まってますからね」
おばちゃん:「急に生理が始まったから、トイレ行ってたんやんか」
私が生まれる前に生理があがった様なおばちゃんです。
何も言えない警察官は、婦警さんにバトンタッチしていました。
まあ、これらのおばちゃんから被害にあったら、犬に噛まれたと諦めるしかありません。
また、ある程度は接触を避ける事で被害を未然に防ぐ事ができます。
しかし、自分の親戚や友達のお母さん連中は逃げる訳にも行かず、結局玩ばれても泣き寝入るしかありません。
おばちゃん:「いや!にっしゃんか?おっきなったなぁ~。おばちゃん、誰かわかる?」
にっしゃん:「あっ、ああ。こんにちわ」(かろうじて挨拶はできる)
おばちゃん:「この間まで、おしめしてたのに、もうええ兄ちゃんやな。おばちゃんも歳いくはずや」
にっしゃん:「えっ?いっいや…」(どぎまぎするしかない)
おばちゃん:「おばちゃんがあと10歳若かったらほっとかへんのになあ~」
にっしゃん:「………」(例え10歳若ったとしても同じ事を言ってるだろう)
おばちゃん:「もう奥さんもろた?まだ?はよ結婚せなあかんよ。ほな、お母ちゃんによろしゅうな」
嵐の様です。一人でもこの有り様なのに、二人、三人になるともうダメです。
ほとんど虐めです。
女三人姦しいと昔から言われますが、おばちゃんは一人でやかましいです。
そして怖いもの知らずです。
やくざ :「おばはん、どこに車停めとんや?迷惑やろが!さっさとのけんかい」
おばちゃん:「何言うてんの?通れるやんか。あんた運転、ヘタなんちゃう?」
やくざ :「誰に口きいてんねん?こら!」
おばちゃん:「あんたなんか知?り?ま?せ?ん。ほな、あんたはうちの事知ってんのかいな?」
こんなおばちゃんは、意外と国際的でもあります。
外人さん :「Excuse me,could you tell me how to get to Takashimaya?」
おばちゃん:「あらま、どうしましょ?」
外人さん :「Could you tell me how to get to Takashimaya?」
おばちゃん:「高島屋?こっち、こっち」
おばちゃんは、英語を全く理解していませんが、この外人さんを見事に高島屋に連れて行きました。
そして、その日の出来事は「この間、外人さんに道聞かれたんよ。もうびっくりしてもうて。英語なんか普段使わへんから、急に出てこうへんし。いや、何言うてはるかは、かろうじてわかるんよ」という風に伝えられるのです。
しかし、おばちゃんが理解できたのはTakashimayaだけです。
関西には多くのおばちゃんが生息しています。
ちょっと見ただけでは普通の中年女性かおばちゃんなのかは判断できません。
判断できた時は、被害にあった後です。
どうですか?関西以外の地域の皆さん。
おばちゃんルーレットをやりに来ませんか?
道行く中年女性がおばちゃんかどうか?
ズバリ当れば、銃で撃たれた並みのダメージを受けるかも知れません。