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『論語』の学而篇-02
日期:2014-02-25 15:42  点击:1873
[白文]2.有子曰、其為人也、孝悌而好犯上者鮮矣、不好犯上而好作乱者、未之有也、君子務本、本立而道生、孝悌也者、其為仁之本与。
 
[書き下し文]有子(ゆうし)曰く、その人と為りや(ひととなりや)、孝悌(こうてい)にして上を犯すことを好む者は鮮なし(すくなし)。上を犯すことを好まずして乱を作す(おこす)ことを好む者は、未だこれあらざるなり。君子は本を務む。本立ちて道生る(もとたちてみちなる)。孝悌はそれ仁を為すの本なるか。
 
[口語訳]有子先生(孔子)がこうおっしゃった。『その生来の人格が、親孝行で目上の人に従順なのに、社会的な地位や年齢が上の人にさからう人は少ない。目上の人や上位者にさからうことを好まない人で、内乱を起こしたという人はまだ存在しない。人格者である君子は根本的な事柄を大切にする。根本的な事が確立すれば、人の生きるべき道が自然に出来るのだ。親孝行で上位者の人に従順であることは、仁の徳を完成させる為の根本である。』 
 
[解説]孔子の儒教道徳は、万人が生まれながらに平等であるという立場は取らず、「身分・立場・年齢の違い」による社会的な上下関係と上位者を敬う礼儀作法を重視する。この文章は、儒教が封建主義社会の身分制度を擁護したと批判される謂われでもあるが、孔子の高弟である有若は、道徳が混乱した弱肉強食の時代に社会秩序を取り戻す為に、下克上を禁止する『孝悌の徳』を説いたのである。『孝』とは、父系社会の血族集団において目上の人を敬い仕える徳であり、一般には「親孝行」に代表される祖先崇拝思想の名残である。『悌』とは、共同体の年長者に従順に仕える徳であり、地域社会の秩序を維持する為の規範であった。

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