[白文]17.子曰、由、誨女知之乎、知之為知之、不知為不知、是知也。
[書き下し文]子曰く、由(ゆう)よ、汝に之を知ることを誨えんか(おしえんか)。これを知るをこれを知ると為し、これを知らざるを知らずとせよ、是れ(これ)知るなり。
[口語訳]先生(孔子)がこうおっしゃった。『子路(由)よ、お前に知ることについて教えよう。自分が知っていることを知っていることとして、自分の知らないことは知らないこととしなさい。これが知るということである。』
[解説]孔子は弟子の性格や興味、能力に合わせて指導を行った。勇猛果敢で直情径行の傾向があった子路(由)に対して孔子は、「その場の勢いに任せて、自分の知らない事柄についてまで知っている」と虚偽の放言をすることは好ましくないことを示唆した。「本当に知るということ」は、自分の知っていることについて相手に教えてあげ、自分の知らないことについては相手に教えを受けることなのである。