[白文]4.子曰、由、知徳者鮮矣、
[書き下し文]子曰く、由よ、徳を知る者は鮮なし(すくなし)。
[口語訳]先生が言われた。『子路よ、徳を本当に知っている者は少ないのだ。』。
[解説]陳の国で糧食が断たれた時に、この嘆きの言葉を子路にかけたとされるが、直情径行の人で衝動的な振る舞いをしやすかった子路は、『仁徳の価値』を十分に理解しているとは言い難い面があった。武勇第一とされた子路は、物事に恐怖しない勇敢さや決断力に秀でた孔子の弟子であり、知識習得のための学問や他者を思いやれる仁徳には余り優れていなかった。