[白文]12.子曰、色厲而内荏、譬諸小人、其猶穿愉之盗也与、
[書き下し文]子曰く、色厲(はげ)しくして内荏らか(やわらか)なるは、諸(これ)を小人に譬(たと)うれば、それ猶(なお)穿愉(せんゆ)の盗のごときか。
[口語訳]先生が言われた。『顔つきは厳めしいが、内面はぐにゃぐにゃなのは、小人にたとえると、壁・塀に穴を開ける盗人のようなものだろうか』。
[解説]孔子は、見かけだけをもっともらしく取り繕った巧言令色の徒を嫌ったが、この章では表情だけ厳格で内面に信念がない人物を、小人の盗人になぞらえて非難している。