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皇帝的求婚(二)
日期:2014-05-23 15:12  点击:955
【帝の求婚】 
 
(二)
 この内侍帰り、この由を奏す。帝聞こし召して、「多くの人殺してける心ぞかし」とのたまひてやみにけれど、なほおぼしおはしまして、この女のたばかりにや負けむ、とおぼして、仰せたまふ、「なむぢが持ちてはべるかぐや姫奉れ。顔かたちよしと聞こし召して、御使ひをたびしかど、かひなく見えずなりにけり。かくたいだいしくや慣らはすべき」と仰せらる。翁かしこまりて御返りごと申すやう、「この女(め)の童は、絶えて宮仕へ仕うまつるべくもあらずはべるを、もてわづらひはべり。さりとも、まかりて仰せごと賜はむ」と奏す。これを聞こし召して、仰せたまふ、「などか、翁の手におほし立てたらむものを、心に任せざらむ。この女もし奉りたるものならば、翁に冠(かうぶり)を、などか賜はせざらむ」
 
(現代語訳)
 
 この内侍は御所に戻って、このことの次第を奏上した。帝はお聞きあそばされて、「多くの男を殺してきた心であるよ」とおっしゃり、その時は沙汰やみになったが、それでもやはりかぐや姫をお思いになられ、この女の心積もりに負けてなるものかと、翁に御命じになった。「お前のかぐや姫を献上せよ。顔かたちがよいとお聞きあそばし、御勅使を遣わしたが、その甲斐もなく会わずに終わってしまった。このようなけしからぬままでよいものか」とおっしゃった。翁は恐れ入ってお返事を申し上げるには、「この幼い娘は、まったく宮仕えできそうもなく、持て余し悩んでおります。そうは申しましても、戻りまして帝の仰せを娘に申し聞かせましょう」と奏上した。これをお聞きあそばされ、帝がおっしゃるには、「どうして、翁の手で育てたのに、自分の自由にならないのか、わが子ならどうにでもなるだろうに。この女をもし献上するなら、翁に五位の位を授けるものを」

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