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伊勢物語(三)
日期:2014-05-26 14:59  点击:762
三 むぐらの宿に
 
 昔、男ありけり。懸想(けさう)じける女のもとに、ひじき藻といふ物をやるとて、
 
  思ひあらば葎(むぐら)の宿に寝もしなむひじきものには袖をしつつも
 
 
【現代語訳】
 昔、ある男がいた。恋をした女のもとに、ひじき藻というものを贈るというので、このような歌をつけて贈った。
 <もしあなたに私を思う気持ちがあるのなら、むぐらの生い茂るあばら家ででもいっしょに寝ましょう。たとえちゃんとした引敷物(ひきしきもの)がなくても、袖を敷きながらでも。>
(注)ひじきもの ・・・海藻の「ひじきも」と夜具の「引敷物」の掛詞。

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