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伊勢物語(百五)
日期:2014-05-26 15:26  点击:573
百五 白露は
 
 昔、男、「かくては死ぬべし」といひやりたりければ、女、
 
  白露は消(け)なば消ななむ消(き)えずとて玉にぬくべき人もあらじを
 
といへりければ、いとなめしと思ひけれど心ざしはいやまさりけり。
 
 
【現代語訳】
 昔、ある男が、恋に患い「このままでは死んでしまうだろう」と言いやったところ、女は、
 <はかない白露は、消えてしまうなら消えてほしいものです。たとえ消えなくても、飾りの玉として紐にさし通すような人もいないでしょう。だから、どうぞご自由に。>
と言ったので、男はえらく無礼な女だと思ったが、女を思う気持ちはいっそう強くなってしまった。

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