来月から“不活化ワクチン”に切り替え
8月23日 4時42分
かつて「小児まひ」と呼ばれていたポリオの予防接種は、現在の生ワクチンから来月1日、毒性のない「不活化ワクチン」に切り替わります。口からの接種が注射に変わったり回数が増えたりしますが、専門家は、きちんと接種するよう呼びかけています。
生ワクチンは、比較的高い免疫が得られるとされています。また、不活化ワクチンが注射で4回接種する必要があるのに対して、生ワクチンは、口から飲んで2回の接種で済むため要望が相ついだのです。
一方、生ワクチンで、ごくまれに出るまひの副作用を問題視する保護者もいます。千葉市に住む駒場絵美さんは、長男で1歳の快くんがこの春予定していたポリオの集団接種を見送りました。ほかの予防接種は欠かしませんでしたが、生ワクチンの副作用の危険性を考えて受けなかったということです。
駒場さんのように、生ワクチンの接種を控える保護者は増え、接種した子供の割合はこの春、推計で62%にまで落ち込みました。
ポリオは、国内では昭和55年に根絶しましたが、いまもインド周辺や、アフリカなどで流行していて、交通が発達した現代は、国内にいつ入ってきてもおかしくありません。
不活化ワクチンに切り替わると、注射で接種し、回数が増えることになりますが、副作用でまひになる危険性はなくなります。
「ポリオに対する抵抗力、抗体というものをワクチンで維持しておく必要があるんであろうと。従来の生ワクチンと違いまして、まひを残すというようなことはありませんので、ぜひ安心されて、きちんと接種していただきたいと」
厚生労働省によりますと、ポリオの不活化ワクチンは、当面必要な量を確保できる見通しで、厚生労働省は、各自治体からの案内にしたがって接種を受けてほしいとしています。
ポリオ;脊髓灰质炎,小儿麻庳。