むかしむかし、ある山寺に、和尚さんと小僧が住んでいました。
很久很久以前,某个山寺里住着个和尚和小僧。
むかしのお坊さんは、女の人と結婚出来ない決まりでしたので、お寺ではなくて里に、こっそりと女房を持つ人が多くいたそうです。
以前的和尚,按照规定是不能和女人结婚的,所以听说很多和尚不在寺庙里,但是偷偷地在村里娶了老婆。
この和尚さんもその一人で、里に女房がいたのです。
这个和尚也是其中一个,在村子里有老婆。
さて、夜になると和尚さんは、女房に会うために里へと下りて行きました。
话说,有一天晚上,和尚下山去村里会老婆。
そうすると山寺には、小僧がただ一人っきりです。
这样山寺里就只剩下小僧一个人了。
小僧は十歳だったので、まだ夜が怖くて、和尚さんがいなくなるといつも両耳を手でふさいで、布団の中でふるえていました。
小僧才十岁,所以害怕天黑,如果和尚不在,就经常捂着耳朵,躲在被子里瑟瑟发抖。
そんなある日、小僧は、《一二三四五六七八九十》と、自分が知っている漢字で手紙を書くと、それを和尚さんの机の上に置きました。
有一天,小僧用自己知道的汉字写了封信《一二三四五六七八九十》,放在了和尚的桌子上。
翌朝、帰ってきた和尚さんはそれを見つけると、小僧に聞きました。「小僧、夜に誰か来たのか?」
第二天,和尚回来时看到后就问小僧:“小僧,昨晚谁来过了?”
「いいえ、誰も来ていません」「しかし、ここに《一二三四五六七八九十》と書いたのがあるが」「・・・・・・」
“没有啊,没人来过啊。”“可是,这里不是写着《一二三四五六七八九十》嘛。”“・・・・・・”
「本当に、誰も来なかったのか?」「はい」「では、これは、お前が書いたのか?」「いいえ、わたしは知りません。ところで、何と書いてあったのですか?」
“真的没有人来过吗?”“是的。”“那么,这是你写的?”“不是,我不知道。不过,写的什么呀?”
「うむ。それがどうにもわからんのじゃ。お前はとんちが得意であろう。どうだ、この謎解きがわかるか?」
“恩,这怎么会看得懂啊。你比较聪明。怎么样,这个谜题能解开不?”
小僧は手紙を受け取ると、しばらく考えたふりをしてから、こう言いました。「わかりました。これは、こう読むのです。『ひとり(一)に知れ、ふたり(二)に知れりゃ、さん(三)ざんいう。知(し)れちゃ仕方ない、業(ごう)(五)をわかす。業をわかせば、ろく(六)なことにならん。質(七)屋の八(八)兵衛さんの娘にほれくさり、苦(九)労すんなよ。この住(十)職のばかたれ』」と、得意げに読む小僧の頭を、和尚さんはペシリと叩きました。
小僧接过信,假装想了一会后,这样说道:“我知道了。这个应该这样理解。‘一个人知道,两个人知道,就会传的沸沸扬扬。要是被知道了也没办法,就会发急。要是发急了就不好了。迷恋当铺八兵卫的女儿,可有的操心了哦。这个主持笨蛋’。”
「何が知りませんだ。これはどう見ても、お前が書いた物だろうが」
“还说什么不知道。怎么看这都是你写的东西啊。”
和尚さんは小僧を叱りましたが、でもそれからは里に行っても、出来るだけ早く帰ってくるようになったそうです。
虽然和尚责备了小僧,但是之后就算去村里,也会尽早赶回来。