【文例8】
それでは私のほうから月間計画のほうをを発表させていただきます。お手元のレジュメのほうをご覧ください。
これも文例ではなく、話し言葉でよく聞かれる表現です。ふだんの会話ではほとんど出てこないのに、たとえば発表や報告のシーンになると、やたらと「~のほう」を連発する人がいます。日本語には婉曲的な表現が多いとされ、一部の接頭語のように単なる語呂合わせの言葉もあり、これもその一種かなという気もします。しかし、明らかに不要でむしろ余計な言葉です。【文例7】で指摘しました「思う」と併せて連発しだすと、「大変お待たせしました。ではただいまから会のほうを始めさせていただきたいと思います。まずは○○さんのほうからご挨拶をいただきたいと思います」となって、聞いているだけでいらいらしてきます。