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かいじゅうとぼく
日期:2014-11-25 13:11  点击:860
 二年前の夏、ぼくにはいもうとができました。ずっと、おとうともいもうともいらな
いって思っていたから、お父さんにきいたとき、うれしいなんて思えなかったです。ぼ
くは、お父さんもおかあさんも、大すきだから、赤ちゃんなんかにとられたくないって…
ぼくだけでいいのにって思いました。
 おかあさんは、ずっとトイレではいてるのに、おなかをさわってうれしそうにしてる
し、ぼくの手をにぎって「お兄ちゃんが、いい子いい子してくれてるよ。うれしいね。」っ
て話しかけてても、なんだかやっぱりうれしいって思えませんでした。
 ある日、おかあさんが「いっしょにびょういんへいこう。」と言ったので、ついていく
ことにしました。おなかにきかいをあてると、「トットットットットッ」と音がきこえて
きました。ぼくはビックリして、おかあさんの手をぎゅっとにぎりました。パソコンみ
たいなきかいに、小さな赤ちゃんがうつりました。先生が、手と足、かおと体をおしえて
くれて、「今日はよくうごいてるなぁ。お兄ちゃんがいるからよろこんでるのかな。」と
ぼくに言ったけど、ぼくは小さな赤ちゃんにむ中で、へんじができなかったです。
 おかあさんのおなかが、すごく大きくなって、さわると赤ちゃんがパンチやキックを
してきます。ぼくは赤ちゃんを「こっちゃん」とよんでいました。
 八月二日の朝、お父さんにおこされて、三人でびょういんへ行きました。おかあさん
はずっといたいってうなっていました。ぼくは、おかあさんがなかないか、すごく心ぱ
いでした。ちがうへやへ、おかあさんが行くとき、「こっちゃんにやっと会えるよ。まっ
ててね。」と言いました。しばらくまってると、赤ちゃんのなくこえがして、かんごしさ
んがこっちゃんをつれてきてくれました。まっ赤なかおでずっとないてるこっちゃん
は、テレビや絵本で見たことのある赤ちゃんより、ずっとへんなかおしていたけど、ぼく
はかわいいって思いました。
 こっちゃんは、かいじゅうです。ぼくの大切なものもこわすし、らくがきもします。ぼ
くがあそんでいるものも、すぐとりにきます。かいじゅうは、すごくつよいからぼくは、
まけてしまいます。たまにやりかえすと、ぼくがおかあさんにおこられます。おかしい
と思うけど、これがお兄ちゃんのしごとなんだってぼくは知っています。お父さんもお
かあさんも、いつもぼくが一番すきって言うから、ぼくはお兄ちゃんがんばれます。
 かいじゅうは、ぼくのことが一番すきっていつも言います。何回きいても、ぼくです。
ぼくはそれをきくと、すごくうれしくなって「ありがとう」ってこたえます。こっちゃ
んのお兄ちゃんにしてくれて、ありがとう。

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