「もうしゃべらん。」
お母さんがおこって言いました。わたしとお兄ちゃんがしつ
こくけんかをしたときです。わたしはお母さんにしらんぷり
されるのが一ばんつらいです。それはお母さんが大すきだか
らです。
「ああお兄ちゃんとけんかするんじゃなかった。」
と、はんせいします。
でも、すぐにわすれてまたけんかしてしまいます。わたしはお
母さんみたいにやさしく人をまもれる人になりたいです。で
も、お母さんもきょうだいの中で一ばん大きいおねえちゃん
だったからけんかはあったと思います。
「まひろ、『にげるがかち』よ。やったらやりかえすのでは、
けんかはおわらいよ。」
と教えてくれました。
お父さんとお母さんがけんかしたことがありました。その
とき、
「ちょっと、おさんぽいこうか。」
と夜のおさんぽに出かけることにしました。わたしは、お母さ
んとおさんぽに出かけるのがわくわくしました。二人で歩い
てスーパーへ行きました。まん丸いお月さまとあいました。
ずっと二人についてきました。
「なんで、お月さんはついてくるの。」
わたしが聞くと、
「まひろが、さみしくないようにみてくれてるね。」
とやさしく言ってくれました。
スーパーにつくとアイスを一つずつ買いました。
「お月さまの真下でアイスをたべたらおいしいね。」
とおはなしをしながらたべました。
かえりに
「とってもおいしいね。またいきたいね。」
と話しました。
かえるとお父さんは、いつもどおりでした。けんかのりゆう
もみんなわすれています。
「じかんがたつと、なかなおり『にげるがかち』よ。」
と、わらって言いました。
わたしは、お母さんはなんでもしっていてすごいと思いま
した。
「わたしも、お母さんみたいな『心がつよくて、やさしいお
母さん』になりたいなぁ。」
と思います。
アレルギーのわたしのために、いろいろなメニューを考え
てくれるお母さん、大すき。
ほそっちょのわたしにもにあう、かわいいようふくを作っ
てくれるお母さんも大すき。
おしごととおうちのことをりょうほうがんばるお母さん。
ぜんぶまとめてじまんです。
「お母さん、さみしいときはむねに手をあててね。いつも心に
いるからね。ありがとう。」とかんしゃの手紙を書きました。
「たからものにするね。大せつにするね。」
ととてもよろこんでくれました。
わたしの心の中もほんわかしました。