「おじいちゃん、私のランドセルすがた、すてきでしょう。」
「毎日、お空から、見ててくれてますか。」
「大切に、大切に、使ってるよ。」
私の大好きなおじいちゃんは、ようち園生の時に、お空に行
きました。
最後のころは、いたみをおさえるために、強いお薬を使うの
で、意識がなくなってしまう日もありました。
そんな時、
「愛和よ。ランドセル、じいちゃんが、買ってやっかんな。」
と、いつものおじいちゃんにもどり、会話が出来ただけでも、
うれしいのに、私のランドセルのことまで、心配してくれて、
なみだを流して、
「ありがとう、大きいじいちゃん。」
と、だき合った事は、今でも、しっかりと、覚えています。
七月でしたが、すぐに、ランドセルを買いに行きました。
大きいじいちゃんと私の好きな、きみどり色( 草色)のラン
ドセルが、目に入り、迷わず、その色に決めました。
買ったのを、伝えると、おじいちゃんは、
「よがった。それは、よがったな。」
「じいちゃん、学校行ぐまでには、家に帰っからな。」
と、言ってくれ、指切りげんまんをしました。
でも、その日の境に、話も出来なくなってしまい、八月に、お
空へと行きました。
本当なら、ランドセルをせおったすがたで
「ありがとう、大きいじいちゃん。」
「とっても、にあうでしょう。」
「二人の好きな、草色だよ。」
と、毎日、毎日、見せたかったです。見てほしかったです。
今でも、ランドセルから出てくる賞状、通知表は、大きいじ
いちゃんの仏だんが、一番最初です。
「天国の大きいじいちゃん、見えますか?聞こえますか? 」
「私は、本当に幸せだよ。」
もう一度、大きい声で言うよ。
「ありがとう。大きいじいちゃん。」
六年生の卒業まで、大切に使いたいと思います。
私も、大きいじいちゃんのような、人の気持ちが分かる、思
いやりの心を忘れない人になりたいです。