ぼくは、お母さんにありがとうと言いたいです。生まれてか
らこれまで育ててくれたことに感謝するのは言うまでもあり
ませんが、何よりも感謝しているのは、お母さんの「料理」を
毎日食べられることです。お母さんが作る料理で特に大好き
なのは、ハンバーグとカレーです。
お母さんの作るハンバーグは、一味ちがいます。たねには、
あいびき肉を一五〇〇グラムも使います。たまねぎ、にんじ
ん、グリーンピース、トウモロコシ、パン粉などを入れて、手で
こねていきます。全体にねばりが出てきたら、温めておいた
ホットプレートにのせます。フタをしてしばらくたったら、
こんがり焼けているのを確かめて、うらがえして、フタをしま
す。しばらくしてから、フタを開けると、ファッと湯気が上が
り、焼いた肉のかおりが周りにたちこめます。チーズをのせ
て、少し焼いたら出来上がりです。出来立てをお皿にのせて、
すぐにいただきます。ホットプレートで次から次へと焼いて
くれるので、熱々のハンバーグをおなかいっぱい食べること
ができます。家で食べるハンバーグが、おいしいのは、しっか
りと肉の味がするからです。お店で出てくるハンバーグは、形
は整っているけれどソースの味がこくて、肉の味がごまかさ
れているような気がします。お母さんのハンバーグには、肉の
味を出す秘みつの工夫があるのではないのかと思います。
次にカレーです。お母さんに「今日のごはんはカレーだ
よ。」と言われるといつもガッツポーズをしてしまいます。お
母さんが作るカレーはトロトロしていて、大きな野菜やお肉
がゴロゴロ入って、スパイスのいい香りがします。カレーが出
来上がりに近づくと、いい香りが家中に広がって、まだかまだ
かとウキウキしてきます。カレーを食べると辛すぎず、ちょう
どいい辛さですが、少し辛いときは、目玉焼きやほしぶどうを
多めにいれて食べます。
どうしてこんなにおいしいのか。それは、ぼくにちょうどい
い辛さを知っていて、ぼくに合わせて作ってくれていること。
それと、あまり好きでない野菜も大好きなカレーの中に入っ
ていると、甘く感じてとてもおいしいのです。
こんなお母さんの料理が、大好きなのです。おいしい料理を
食べるとうれしいし、それを家族のみんなで食べるとさらに
おいしく感じます。また、お父さん、お母さんや弟たちのおい
しい笑顔を見ると心も温かくなります。毎日食べているごは
んですが、ごはんには、不思議な力があると思います。お母さ
んが今日も台所で格とうしながらおいしい料理を作っている
のを見ると、「ありがとう」という言葉が自然と心からうか
んできます。