15、中国に進出した主な多国籍企業
フォルクスワーゲン
フォルクスワーゲン社は1984年に中国市場に進出して以来、現在、中国に14の企業を持ち、乗用車製造のほか、消費者と自動車業界に部品とサービスを提供している。
フォルクスワーゲンは中国で最も早く業務を展開した大手自動車メーカーの1つであり、中国政府との最初の接触は1978年にさかのぼる。その頃、中国政府は鄧小平の指導の下、経済改革と開放政策を実施し、海外から資金と進んだ技術を導入して中国の近代化を加速し、国際競争力を高めることを目指していた。当時も今も自動車産業がこの目標を実現するための鍵であることは間違いない。
現在、フォルクスワーゲンは中国で乗用車合弁企業を2社持っている。1984年上海フォルクスワーゲンが設立されたのに次ぎ、1990年には長春で一汽と合弁企業の設立に関する協定に調印した。2003年1月フォルクスワーゲン上海トランスミッション社を合弁で設立。2004年には最先端技術を駆使したエンジンを生産する合弁企業が2社立ち上げられ、それぞれ2006年と2007年に操業を開始した。
ボーイング社
長年にわたる中国とボーイング社との友好協力の歴史は1972年に始まった。ボーイング社は中国で飛行・整備・管理などでの訓練を行い、ボーイング旅客機の運行に保障を提供している。また、これと同時に、ボーイング社は、中国で空港での駐在代表サービス・後方勤務・技術的サポートなどのシステムを築き、中国の民間航空のフライト管理と航空安全のレベルアップを支援している。
その他、ボーイング社は中国の航空製造業と広範囲に生産協力を展開する他、新しい合弁会社を作り、複合材料を生産し、飛行機を改造・整備と部品提供業務を取り扱っている。
現在、世界で飛行中のボーイング社の航空機4000機以上の重要な部品とユニットは中国で製造されたものである。
トヨタ
トヨタ自動車は中国においても自動車を通じ豊かな社会づくりに貢献することを企業理念とし、顧客に上質な自動車とサービスを提供すると同時に、様々な社会貢献活動を行い中国社会の発展に寄与している。
事業の面では、トヨタは中国の完成車やエンジン、自動車関連施設などの関連事業に積極的に携わっている。中国の国家政策の支持の下で、トヨタは第一自動車グループおよび広州自動車グループとの協力を通じて、これまで、天津・広州・成都・長春で合弁で6つの完成車メーカーと4つのエンジンメーカーを設立し、中国ユーザーに好評価される15車種を出した。
現在、トヨタは中国の8つの省・直轄市で9社の独資会社、11社の合弁会社、5つの事務所を設立し、3万5000名あまりの中国職員を雇用しており、生産・販売・アフターサービスなどの関連分野で中国の自動車工業と自動車市場の発展に積極的に貢献している。同時にトヨタは「環境保全」・「交通安全」・「人材育成」を中心に、中国で様々な社会貢献活動を積極的に展開し、前向きな姿勢で中国社会に溶け込んで中国の経済・社会のバランスの取れた発展に寄与することで、中国社会に認められ、信頼される優秀な企業になるよう取り組んでいる。
マイクロソフト
マイクロソフト社は1992年に北京事務所を設立、1995年にはマイクロソフト(中国)有限公司を設立し、ソフトウェア産業との共同の発展を目標とし、政府やパートナー、ユーザーとの緊密な連携を強めてきた。資金・技術・人材・市場などを通じて中国の情報化建設を支援し、情報産業と知識経済の発展を推し進め、互利互恵の実現を目指してきた。
中国でのマイクロソフトの規模はこの20年で絶えず拡大してきた。職員数は今や3000人を超え、全国に出先機関を設けて業務を展開し、基礎研究・製品開発・マーケティング・技術サポート・教育訓練などを行っている。現在、マイクロソフトは中国で5000社あまりの協力パートナーを持っている。中国はマイクロソフト社にとって、世界で最も重要な戦略市場の一つとなった。マイクロソフト中国も米国本部を除くと、最も完備した機構と機能を持つ子会社となった。
マイクロソフトは様々なソフトウェア製品とサービスを開発すると共に、関連する業務やライセンス・技術的サポートを提供することを通じて、ユーザーにその商業価値を発信している。現在、マイクロソフトの中国業務はWindowsクライアント端末・サーバーと開発ツール・インフォメーションワーカー製品・マイクロソフトビジネスマネジメントソリューション・携帯用端末と組み込み用機器・MSNとパーソナル商品・娯楽製品など7つの面に及んでいる。