中国北部の河北省新城県白沟村は、歴史上、大変有名な民芸玩具の里として知られています。ここの泥人形は様々で、一般的な泥人形のほか、戯曲の登場人物の泥人形もあります。多くは、河北地方の戯曲「河北邦子」から生まれたものです。作り方は、2、3人で1つの型を用いて、粘土を型にはめて、体形を形成します。粘土と型の間には、少しの隙間もありません。この方が人形の強度が増すからです。
ある戯曲の中に「刀馬人」という人物がいます。この人物の人形は、もっぱら室内に飾られる大型の人形で、高さが約60センチもあります。この人形はきわめてシンプルですが、馬に跨り、手には宝刀を持ち、迫力があります。玄関に入ると、玄関の両側に2体のこの人形が迎えてくれます。この人形は飾り物としてだけでなく、魔除けの効果もあると言われています。
「刀馬人」は、形こそシンプルで、大変素朴なつくりで、精密な模様はありませんが、白の下色に赤、黄色、黒の3色、特に黄色を主としていて、可愛さと趣きがあります。