布で作った布老虎は、中国の民間に広く伝わっている玩具の一種です。中国では、虎が悪魔を追い払い、災難を避け、平安、吉祥の象徴だとされ、同時に財産を守ってくれるとされています。中国では、伝統的節句である「端午節」、旧暦の5月5日に子供に布の虎を作り、あるいは雄黄で額に虎の顔や王という漢字を書き、子供が健康で勇敢な人になるよう期待します。布老虎の形は様々で、頭が一つ、二つ、三つ、更に四つを持つ虎、親子虎、枕の形をした布老虎などもあります。
布老虎は、綿布、絹など様々な材料を用いて作られますが、中は木の屑、米糠などが詰め込まれ、表面は彩色し、刺繍を切り取って貼りつけるなどの手法で、虎の目、口、耳、鼻などを作ります。布老虎は大きな目、大きな口、大きな耳、大きな鼻、大きな尻尾をして、勇ましさをあらわすが、その頭と目、耳,鼻などは人間の子供のような愛らしさです。
中国では 『端午節』、『春節』、『元宵節』などの節句を過ごす時、布老虎を作るほか、赤ちゃんが生まれた三日目と百日目、一歳と二歳の誕生日を迎えた日にも布老虎を作り、悪魔を追い払い、病気を払い、幸福を祈る慣わしが昔からあります。