400余年の歳月をかけ、中国文明と西洋(ポルトガルがメイン)文化が融合してきた澳門の8つの広場と22ヶ所の歴史的、宗教的建築物が、「マカオ歴史市街地区」として2005年に7月に世界文化遺産に登録された。マカオ歴史市街地区は、中国国内に現存する最も古く、最大の規模を持ち、最も完全に保存された東西の建物が並存するエリアである。ここは、東西の文化交流の産物で西洋的な建築物や文化が、中国の伝統的建築物に囲まれ、人々の生活空間の中で完全な形で保存されている、世界でも類を見ない歴史の街である。 16世紀の半ば、国際貿易の新しい情勢に基づいて、明はマカオ半島の南西部をポルトガル人をはじめとする外国人が定住し、貿易を行う貿易拠点とした。マカオは中国の主な対外港として発展し400年来、ポルトガル、スペイン、オランダ、イギリス、フランス、イタリア、米国、日本、スウェーデン、インド、マレーシア、フィリピン、朝鮮、アフリカなどから来た人が持ってきた、異なる文化、職業、技術、風習を融合させ、マカオ歴史市街地区にで建物、教会を建て、道路を整備し、砲台や墓などいろいろものを作った。
外国人の定住に伴い、それぞれの伝統建築がマカオに運ばれてきた。これによって、マカオは近代西洋建築物が中国に伝わった第一ステーションとなった。特にポルトガル人がマカオで建てた建物は、本土との密接な関係を表してる。事実上、ルネッサンス時代後の建築様式やデザインは、アジアのその他の建築要素と合わせて、マカオで新たな変化を生み、独特な建築様式になった。
四百年あまりの歴史の中で、中国人とポルトガル人は「マカオ歴史市街地区」に、異なる生活エリアを建てた。これらのエリアにはマカオの東洋式と西洋式の建築の特色が見られる他、両国人民の異なる宗教、文化および生活習慣の融合と相互尊重が認められる。このような包容的な雰囲気は、マカオのもっとも特色のあるところであり、価値のあるところである。
世界遺産として評価された理由は、中国領土内に現存する最も古く、完璧に保存されている中国と西洋の建築物の融合があり、約400年に渡る東洋と西洋文明の交流点として認められたことだと言われている。世界でも類をみない異文化共生の地として世界遺産に登録された。