澄江動物化石群の主要部分は、雲南省昆明の南に位置する玉溪市澄江県撫仙湖畔にある。海綿動物から脊椎動物、そして絶滅危惧種の代表的な動物化石であり、現在、世界で発見されている中で最も古く、最も完全に保存された多種類動物化石群といえる。はるか昔の5億3千万年前のカンブリア紀早期の海洋に生息していた動物が様々な姿で生き生きと完全に保存されている。
この場所は、大昔、浅い海だったが、特別な自然条件と環境に恵まれ、世界でも稀で、貴重な化石群となった。
現在までに発見された化石は合わせて120種類で、それぞれ海綿動物、腔腸動物、線形動物、鰓曳動物、動吻類、節足動物、腕足動物、軟体動物、肢節動物、脊索動物などの10種類と分類不明ものがある。この他、共生していた多種類の藻類もある。また、澄江動物化石群は大昔の海洋生物の実態を表しているので、脊索動物を含む大多数の生物に関する記録をカンブリア紀初期にまで遡ることができる。また、この化石群はカンブリア紀初期の生物の多様性を表しており、「カンブリア紀大爆発」という生物進化の謎を解く上で貴重かつ直接的な証拠を提供してくれる。これらのことから、この化石群は20世紀の最も驚くべき科学発見の1つと称され、澄江も「世界古生物の聖地」と呼ばれている。
2012年7月の世界遺産委員会で世界遺産リストに登録された。これは、中国で最初の化石群の世界遺産で、中国化石類自然遺産の空白を埋めた。