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第十一课 迷いはないが
日期:2015-02-28 19:03  点击:677
   21年前に長男が生まれたとき「10歳になったら一人旅に出し、15歳になったら親元から離そう」と小さな我が子を見ながら夫と決めた。親の務めの第一は子どもを自立させることだと、一人旅の途中ペルーで出会った①新米のお父さんとお母さんは考えたからだった。
 長男は中学卒業後、札幌の高校に進学し、家を出た。元気だった夫が病気で亡くなったのは、その4カ月後。以来、8歳だった二男との2人暮らしが始まり、そして今年、彼は15の春を迎えた。
 半年前、進路を決める段になって、息子は「スイスの高校に行きたい」と言い出した。常々「高校からは家を出るんだからね」と言っていたせいか、地元の高校は考えていなかったようだ。②それにしても海外とは……。
 86歳になる父は、「おまえ独りになるしなー。大学からでもいいんじゃないのか」と50を過ぎた娘を心配する。友人たちも「寂しくなるよ。一人で大丈夫?」と、自分のことのように言ってくれる。
 確かに最近は、一回り大きくなった息子に助けられる場面が増えてきた。夫がいれば「新婚生活のやりなおし」ぐらいの気持ちでいられたのだろうが。
 でも、③夫と決めたことだもの。私には迷いはなかった。「迷いはない」なんて偉そうなことを言ってはいるが、旅立つその日、涙を見せずに笑顔で送り出せるのか、私には自信がない。
 
 
練習問題
 
1、①「新米のお父さんとお母さん」とあるが、だれのことか、指摘しなさい。
お友達夫婦
若いごろの筆者夫婦
ペルー人夫婦
現在の筆者夫婦
 
2、②「それにしても海外とは……」とあるが、省略した文には、どんな内容のものが入るか。
ちょうどいい就学先だ
親と同じ考えだ
予想通りのことだ
遠すぎる
 
3、③「夫と決めたこと」とは、何か。
長男がスイスに留学すること。
長男は10歳になったら一人旅に出し、15歳になったら家を出ること。
旅立つその日、涙を見せずに笑顔で送り出すこと。
新婚生活のやりなおしということ。

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