◆嚢中(のうちゅう)の錐(きり)
中国の戦国時代?趙の皇族で宰相だった平原君(へいげんくん)は、実に三千人の食客を養っていました。あるとき、使者として楚の国に援助を求めにいくこととなり、頼りになりそうな人物20人を選りすぐって伴として連れて行くことにしました。
しかし、19人まではそろったのですが、あと1人がどうしても見つかりません?困っていたら?末席の毛遂(もうすい)という男が、「ぜひ私を」と進み出てきました。平原君が「君は私のもとに来て3年になるが、格別の才能があるとは聞いていない」と言うと?毛は「それは先生が錐を袋の中に入れようとなさらないからです。袋に入れてくだされば突き出ると思います」と答えました。
平原君が伴に加えて楚の国に連れていきますと、毛は果たして外交上の大功を立てたのです.
◆伯仲(はくちゅう)
兄弟の順序を「伯?仲?叔?季」といい、「伯」は長兄、「仲」は次兄のことで年齢が近いので、優劣がつけにくい場合に使われるようになりました。
◆白眉(はくび)
三国時代、蜀の馬氏に五人のすぐれた子どもがいて?とくに長兄の馬良が最もすぐれていました。その馬良の眉に白い毛がまじっていたので、世の人が五人兄弟のうち白眉がいちばんよいと評判を立てた故事によります。