鮮やかな朱色の表紙につけられた「茜雲(あかねぐも)」というタイトルの由来は悲しい。日航ジャンボ機事故で亡くなった人たちが最後に見たであろう、夏の夕焼け空の色である。520人もの命が絶たれた墜落から、きょうで30年になる
鲜艳的红色封面上印着标题“火烧云”,其由来极为悲惨。这恐怕是日航巨无霸客机事故中遇难者最后看到的被夏日晚霞染红的天空颜色。断送了520条生命坠机事件,发生至今已经30年了。
「茜雲」は事故の翌夏から、遺族が思いをつづる文集としてほぼ毎年作られてきた。痛みを分かち合うためのものでもあった。今年は事故を知らない世代にも広く伝えようと、一般向けの出版を決めた(本の泉社刊)
“火烧云”作为遗属思念亲属的文集,从事故次年的夏季开始,几乎每年一册。它成了一个分担痛苦的平台。为了将事故情况广泛传达给不知情的年轻一代,决定今年面向普通民众出版(本之泉社刊)。
夫と9歳、7歳の子を亡くした女性は、「いちばん幸せで輝かしかった時代は、やはり結婚して子育てをした一〇年の濃厚な日々でした」と寄せた。20歳の娘を失った父親は「今一度、もう一度だけ、できることなら触れてみたい……」。歳月に癒えぬ悲しみに胸が詰まる
一名在事故中失去了丈夫及9岁、7岁两个孩子的妇女撰文道,“最幸福最辉煌的时代仍要数结婚之后共同抚育孩子的那十年,每一天都是那么的浓厚甜蜜”。一位失去了20岁女儿的父亲说,“可能的话,真想再一次见到她,哪怕仅一次……”。岁月都无法治愈的悲痛令人哽咽。
遺族でつくる「8・12連絡会」の編集だが、会の名に「遺族」の文字はない。前を向いて、最愛の人がなぜ死んだのかを問い、亡くなった人のぶんも生きたい。そうした意志をこめてのことと聞く
这是一本由遗属们创建的“8·12联络会”编辑出版的册子,可是会名中并没有“遗属”字样。听说他们要满怀坚定的意志,以向前看的姿态,探讨最爱之人缘何遇难的缘由,并希望把故去者的那部分也加在一起,要活得更充实精彩。
空の安全への働きかけも絶やさずにきた。事故は、多重安全の設計を誇ったジャンボ機の「神話崩壊」でもあった。「どんなに技術が進んでも、安全の最後の守り手は人間の意識です」の言葉を茜雲の序文に置いた
确保空中安全的工作从未停止过前行的脚步。吹嘘为采取了多重安全防护设计的巨无霸客机,其“神话被彻底摧毁”。火烧云的序文中写道,“无论技术如何先进,确保安全的最终手段是人的意志”。
この30年、日本の大手航空会社で乗客が死亡した事故はない。しかし教訓に慣れすぎたところへ、悲劇はすり寄ってくるものだ。犠牲者の無念と遺族の慟哭(どうこく)を忘れまい。誓いの原点に立ちもどる日でもある。
这30年来,日本的大型航空公司乘客死亡事故为零。但是,悲剧往往发生在人们对教训的不以为然。我们绝不能忘记遇难者的遗憾和遗属们的恸哭。这一天也是重新站位到誓言起点的日子。