質問
「~うちに」と「~あいだに」の違いは何ですか?
こたえ
「うちに」も「あいだに」も、〈一定の期間〉という意味を示します。このとき、時間は線的にとらえられていて、はじまりと終わりに区切られた期間という意識があります。
若い(うちに/あいだに)勉強しておきなさい。
明るい(うちに/あいだに)帰宅する。
のような場合には、どちらも可能ですが、
この新聞は電車を待っている(*うちに/あいだに)買った。
1時と2時の(*うちに/あいだに)来て下さい。
のように、〈始まりと終わり〉が明確な場合に「うちに」は使えません。これは、期間の長短には関係しません。
長い(*うちに/あいだに)街はすっかり変わってしまった。
のように、〈始まりと終わり〉とが(話し手に)はっきり意識されている場合には、「うちに」は使えません。逆に、
その(うちに/*あいだに)またお訪ねいたします。
のように、ある期間を漠然と指し示す場合に「あいだに」は使えません。
また、「うちに」は、瞬間的な状態を示す語を受けるときに否定形をとり、
暗くならない(うちに/*あいだに)帰宅する。
のようになります。
暗くなる(まえに/*うちに)帰宅する。
とは、用法が異なるので注意が必要です(「*暗くならないまえに帰宅する。」とはいえません)。
「うちに」と「あいだに」とが両立する文脈でも、意味合いには違いがあるようです。たとえば、
若い(うちに/あいだに)勉強しておきなさい。
のような場合、「うちに」には、ある期間をそれより後の期間と対比する意識があります。ここでは、〈若い:老いた〉という意識があって、「年をとってから勉強したのでは遅すぎる」という気持ちを含んでいると解釈できます。「あいだに」は、単に「若い時期」を指すだけです。
ピアノを練習している(うちに/あいだに)雨が止みました。
という場合、「うちに」は「いつの間にか(気がついたら)雨がやんでいた」という意味を表わし、「雨が止んだ時点がピアノ練習の時間内であった」という事実を表現する場合には「あいだに」を使います。「あいだに」の方が、客観的な言い方になるのです。逆に、
ピアノを練習している(うちに/?あいだに)上手になりました。
という場合には、具体的な事実関係(ピアノの練習の期間や事柄の生じる時点)がはっきりしないので、「あいだに」とはいいづらくなります。「ピアノを練習している(うちに)上手になりました。」は、「気がついたら、だんだんうまくなっていた」という気持ちをあらわしています。