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「世話になっている人」とは誰のことですか?
日期:2015-09-21 15:13  点击:1079
質問
 
「世話になっている人」とは誰のことですか?世話をした人ですか、面倒を見られている人ですか?
 
こたえ
 
「世話」という語は、「になる」という補助形式(助詞+動詞)をつけることで〈必要な援助などを受ける〉という意味になります。同じ用法に「御馳走ごちそうになる(食事をおごってもらう)」や「厄介やっかいになる(面倒を見てもらう)」があります。
 
「世話になる」は、 A《が》B《に or の》世話になる という型で表現されます(A=面倒を見られている人、B=世話をした人です)。ですから、「世話になっている人」とだけ言う場合には、「誰かが世話になっている人」=〈世話をした人〉とも解釈できますし、「誰かに/の世話になっている人」=〈面倒を見られている人〉とも解釈できます。どちらに解釈されるかは、文脈によって変わると思います。
 
「世話になっている人にお歳暮を贈る。」
という場合には、必ず、「世話になっている人」=〈世話をした人〉と解釈されます(ここで〈面倒を見られている人〉は「私(話し手)」ということになります)。「お歳暮」は、自分に何かの援助を与えてくれた人に贈るものですから、「世話になっている人」=〈面倒を見られている人〉と解釈すると文脈がおかしくなってしまいます。
 
この例のように、援助を与えてくれる人(たち)への感謝の気持ちを含む表現は、日常の言語行動でしばしば使われるものです。そのため、「世話になっている人」とだけ言うときには、「世話になっている人」=〈世話をした人〉=「『私(話し手)』に援助を与えた人」と解釈される傾向があると思います。
 
しかし、
 
「田中さんが退職されるそうです。世話になっている人も多いと思います。みんなで何かプレゼントしましょう。」
という場合は、「世話になっている人」=〈面倒を見られている人〉と解釈されます。これは、〈面倒を見られている人〉が〈世話をした人〉にプレゼントをしようということです。このように、「B=世話をした人」が文脈から明らかである場合には、「世話になっている人」が〈面倒を見られている人〉を指すこともあります。
 
同じように、「田中さんなどの世話になっている人...」という場合にも、文脈によって解釈が変わるでしょう。
 
「田中さんなどの世話になっている人にお歳暮を贈る。」
という場合には、「世話になっている人」=〈世話をした人〉=「『田中さん』たち」と考えるのが自然ですが、
 
「田中さんなどの世話になっている人も多いらしい。」
という場合には、「世話になっている人」=〈面倒を見られている人〉で、「田中さん」が〈世話をした人〉ということになるでしょう。しかし、
 
「田中さんなど、世話になっている人も多いらしい。」
のように「田中さん」が《例示》と解釈できる場合には、「世話になっている人」=〈面倒を見られている人〉・「田中さん」=〈世話をした人〉というだけでなく、「世話になっている人」=〈面倒を見られている人〉=「田中さん」とも解釈できるので注意が必要かもしれません。なお、
 
「田中さんなど、世話になっている人にお歳暮を贈る。」
は、「田中さんなどの世話になっている人にお歳暮を贈る。」と同じ意味です。

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