質問
「3」は「さんぼん」(3本)と濁るのに、「4」が「よんぼん」とならないのはなぜですか?
こたえ
連濁は、古く日本語に一般的に見られた音声現象です。漢語の場合は、「東西(トウザイ)」「王子(ワウジ)」「金色(コムジキ)」「深山(シムザン)」「蓮華(レングヱ)」「変化(ヘングヱ)」のように、先行する鼻音に後続音が同化する音声現象(同化)であると考えられます。一方、和語の場合には「子供(コドモ)」のような例が見られるなど発音上の規則性がありません(整合的な体系は発見されていません)。また、漢語の連濁は中国では類例がなく、日本独特の現象であるとされています(漢語が日本語に定着したことを示すものと見られます)。なお、現代語では連濁は生産性を失っており(中世末期ころに消滅)語彙的に固定されています(濁るかどうかは、個々の語の発音の実態にかかわらず、あらかじめ決まっています)。
「三本」と「四本」についても、「サン」は漢語(「三」の音読み)で、「よん」は和語(「四」の訓読み)という違いがありますから、両者が同じ音声変化(連濁)をするとは限りません。また、「よん」が、もともと「よ」だったものに撥音が添加された形であることから、「よんぼん」のようにならないと考えることもできます。ただ、数詞・助数詞の音声には不規則な変化も見られるため、確実なことはわからないというのが本当のところかもしれません。