節目にもいろいろあって、今年はペンギンが初めて日本で飼育されてから100年になるという。大正4年6月の朝日新聞は「ペンギン鳥(ちょう)来る」の見出しで上野動物園にやってきたと報じている。だが脇見出しは「直(じき)に死ぬだろう」と、身もふたもない。
纪念日也是多种多样,据说今年是日本第一次饲养企鹅的100周年。大正4年6月,朝日新闻以《企鹅来临》为标题奔赴上野动物园进行相关报道。但是报道的副标题却是《马上就会死掉吧》,真是毫无顾忌。
はたして9日後、「ペンギン鳥死す」と記事が載った。多量の氷と新鮮な魚を与えて世話したが駄目だった。南米チリのフンボルトペンギンというから暑さに弱くないはずだが、長旅のうえ、飼育の不慣れもあったろう。
最终在9天后,刊登了《企鹅死亡》的报道。虽然给予企鹅大量的海水和鱼并对其悉心照料,但是还是无用。南美智利的洪堡企鹅本身就不耐热,加上远渡重洋,饲养方式的不习惯也是原因之一。
それから1世紀が流れ、今や日本は世界一のペンギン飼育大国なのだという。全国の動物園などで11種約3600羽(2012年)が飼われ、どこでも人気者だ。ところが野生では、幾つかの種が数を減らしている。
此后一个世纪过去了,今天的日本是世界第一的企鹅饲养大国。在全国的动物园中,饲养了11种约3600只(2012年),无论在哪都非常有人气。然而野生企鹅方面,有些品种的数量正在减少。
日本での飼育数が一番多いフンボルトもそのくちだ。南アフリカなどにいるケープペンギンも激減したという。体長が1メートルを超す南極のコウテイ(皇帝)ペンギンも、温暖化が進めば減るとの予測がある。
在日本饲养数量最多的洪堡企鹅也是其中之一。栖息在南非等地的开普敦企鹅的数量也在急剧减少。体长超过1米的南极帝企鹅也难逃厄运,有人预测如果温暖花加剧,那么其数量就会减少。
燕尾服(えんびふく)姿の珍鳥は、100年余り前の白瀬矗(のぶ)隊長の南極探検で日本でも周知となった。写真も残り、隊員の一人は〈氷盤に片吟(ペンギン)躍る寒さかな〉と詠んだそうだ。「片吟」の当て字がおもしろい。
身着燕尾服样子的珍稀鸟类,因为100多年前的白濑矗队长的南极探险,令日本知道了它。还留下了当时的照片,据说其中一个 队员还吟道,“天寒地冻,冰面上企鹅跳跃”。“片吟”这一匹配汉字非常有意思。
白瀬は探検記にペンギンを「すこぶる滑稽な者」と書いたが、水中能力は知らなかったろう。皇帝ペンギンは600メートル以上潜った観察記録もあるといい、人間の素潜りはとても及ばない。あすからの週末、畏敬(いけい)のまなざしで愛嬌者(あいきょうもの)に会いに行くもよし。