とかく人は深読みをしておもしろがる。松尾芭蕉の名高い一句に〈古池や 蛙(かわず)飛びこむ 水の音〉があって、五七五の頭の字を並べると「ふ・か・み」となる。すなわち俳句というものの「深み」をこれで教えていると解した人がいたらしい。
总之,人们细读之后就会觉得有趣。松尾芭蕉有这样一句著名的诗句,“老旧池塘,青蛙蹦跃,水声阵阵”,将其五七五三段的开头字并列在一起,就是“ふ・か・み”(深度)。于是有人这样认为,他通过这种方式告诉人们俳句的“内涵”。
もっとも芭蕉研究家はそんな珍説など相手にせぬと、往年の名エッセイスト高田保がユーモラスに書いていた。その俳聖芭蕉と並び称される江戸期の与謝蕪村に、新たな光をあてる発見であろう。知られざる212句が見つかったと先日報じられた。
原本芭蕉研究家的研究对象并非是这种奇谈,往年著名的短文作家高保田写过有关于此的幽默文章。与这位俳圣相提并论的江户时期的与谢芜村,又有了备受关注的发现。前些日子有报道称发现了其不为人知的212首诗。
専門家によれば、蕪村は研究され尽くしたと思われていた存在といい、これほど一度に出てきたのは驚きらしい。〈傘(からかさ)も化(ばけ)て目のある月夜哉(かな)〉は見つかった句の一つ。他にどんな句があるかと、興味が募るファンは多いことだろう。
根据专家的话,有人认为芜村已经被研究透彻了,所以一下子出来这么多的诗句着实令人震惊。“雨伞破陋,月光穿过如妖怪”,这是所发现的诗句之一。其他还有些什么诗句呢?很多爱好者被吊足了胃口。
〈牡丹(ぼたん)散(ちり)て打(うち)かさなりぬ二三片〉や〈菜の花や月は東に日は西に〉など名句あまたの蕪村だが、没後長く忘れられていたという。明治になって「芭蕉に匹敵あるいは凌駕(りょうが)する」と光をあてたのは正岡子規だった。
“牡丹凋零,花瓣二三存枝头”以及“东方曦和,菜花、望舒存西方”,留下颇多名句的芜村,在其去世之后曾长期为人所遗忘。到了明治时代,“与芭蕉匹敌甚至是超越”的正冈子规又横空出世了。
「百年間空(むな)しく瓦礫(がれき)と共に埋められて光彩を放つを得ざりし」と子規は記した。この10年で蕪村を15句ほど借用している小欄、当人はむろん、子規の墓にも足を向けて寝られない。
“百年岁月埋没于瓦砾,现今有得大放光彩”,子规曾如此写到。在这10年间本栏引用了15句芜村诗句,本人对其的尊重自不必说,面对子规之墓对其感激不尽。
来年は蕪村の生誕300年にあたる。その記念展がきのうから奈良県の天理大付属天理図書館で始まり、見つかった句集も展示されている。芸術の秋である。絵師でもあった蕪村の、詩趣ゆたかな「ふかみ」に遊ぶのもよし。
明年是芜村诞生300周年。昨天开始,在奈良县天理大学附属天理图书馆举办的纪念展开幕了。被发现的诗句也有展示。这是艺术之秋。在又是画师的芜村的那些充满趣味的诗句中遨游,亦是幸事。