「私、ついこの間(あいだ)までとっても幸せでした」と始まる、ある妻の証言が胸を突く。今年のノーベル文学賞を受けるベラルーシの作家、スベトラーナ・アレクシエービッチさんの『チェルノブイリの祈り』(松本妙子訳)を読んでみた。
“我忽然觉得此前的日子是幸福的”,故事在这句话中开始了,那位妻子的话语令人难忘。我读了下获得本届诺贝尔文学奖的白俄罗斯作家斯贝托拉娜女士的《切尔诺贝利的祈祷》(松本妙子翻译)。
夫は高所作業組立工だった。身長は2メートル近く体重90キロ。「だれがこんな男を殺せて?」。だが原発事故の半年後に現場へ行き被曝(ひばく)する。発病し、45歳で亡くなった。「私から夫を奪ったのはだれなんですか?」。この妻をはじめ、多くの人々が語る生身の真実に読後感は重い。
故事中,那位妻子的丈夫是在高空作业的装配工。身高近2米,体重90公斤。“谁能杀死这样的男子?”。然而,在核电站事故发生的半年之后,他去了现场遭到了核辐射。由此发病,在45岁时去世。“从我身边夺走我丈夫的究竟是什么?”。以这位妻子为代表,很多人讲述了切身的经历,读后令人心情沉重。
書中で、作者は「自分自身へのインタビュー」も試みる。「チェルノブイリ後、私たちが住んでいるのは別の世界です。前の世界はなくなりました。でも人はこのことを考えたがらない」「人々は忘れたがっています、もう過去のことだと自分を納得させて」。
在书中,作者也尝试了“对自己的采访”。“切尔诺贝利之后,我们所居住的世界已面目全非。以前的世界业已消失。即便如此,人们仍没有反思这件事。”“人类健忘,已经说服自己那是过去的事情了。”
そして「私は未来のことを書き記している」と結ぶ。福島原発事故の十数年前の執筆と知れば洞察の深さに驚かされる。
接着她在书中总结道,“我们正在记录着未来的事情。”如果你得知这是她在福岛核电站事故发生的十几年前所写的,你必定会对其的洞察力感到震惊。
その福島では廃炉への難作業が続く。一昨日は白血病になった男性が労災と認定された。事故後の作業による被曝では初という。事故から4年半、メルトダウンの始末もつかない苦闘を、「誰か」の仕事として私たちは忘れていないか。
在福岛,针对废炉的高难度作业仍在继续。昨天,一位得白血病的男性被认为是劳动事故。因事故后的作业而遭受核辐射,这是第一例。事故过去了4年半,我们现在是不是已经将燃料溶融的原因都无法弄清的苦斗作为“他人之事”而遗忘了呢?
政府は原発再稼働へ舵(かじ)を切り、事故の風化ばかりが堂々と早い。状況も国情も違うが、冒頭の妻のような嘆きを、廃炉の担い手や家族に言わせてはなるまい。人間を軽んじない安全の徹底は、何よりも必須である。
政府决定重启核电站,早早地就堂而皇之地遗忘了核电站事故。无论是现状还是国情都已经发生了改变,决不能在废炉作业人员以及其家属身上重演开头那位妻子的悲剧。必须彻底保证相关人员的绝对安全,这是最重要的。