侍
貴人の側近に控える意味の動詞〈さぶらふ〉が名詞に転じたもので,〈さぶらい〉ともよばれた。 〈侍人(さぶらいびと)〉の語は《日本書紀》にもみえるが,平安時代には皇后宮・中宮に仕える侍・侍長(さぶらいのおさ)があり,また親王・摂関・大臣その他の諸家にも侍がいて主人の側近に仕え,下家司(げけいし)として家務を分担している。これらの侍には重代格勤(かくご)の一芸を伝える五位・六位の者が多かったので,諸家に仕える五位・六位の者を侍とよび,四位・五位の諸大夫につぐ一種の家格ともなった。