分かりやすい例を挙げると、説得力が増す。
分かりやすい例を挙げると、説得力が増す。 | 説得力を高める30の方法
話をするときに、淡々と事実だけを述べる話し方は、上手な話し方とは言えません。
正しいけれど、説得力がなければ、聞いている人の気持ちをつかむことはできません。
校長先生のつまらない話と同じです。
気持ちをぐっとつかむことができる話し方をすることが大切です。
それが、例えです。
自分の言いたいことを、例えを使って上手に説明すれば、想像しやすくなります。
理解されやすくなります。
言いたいことと似ている例を出して説明すれば、相手も納得してくれます。
私は先日、両親に仕事で起きた、ある失敗について話をしたことがあります。
仕事といってもコンピューター業界に特化した難しい内容になり、説明をしても、理解に苦しんでいるようでした。
話をしていても、意味がよく分からないという返事が返ってきます。
「システムを正常に稼働させるためにINITプロセスを先に上げてから、Dispatcherプロセスを上げる手順がある。
でも間違えて、Dispatcherを先に上げてしまったため、システムに異常が発生して、サービスに影響を出してしまった」。
そういう専門用語を使った話し方をしました。
単純な話も、専門用語が加わるだけで、急に難しい内容に聞こえてきます。
同じ職場にいる仲間であれば「なるほど」と理解してくれます。
しかし、両親のようなコンピューターにうとい人に説明するには苦労します。
そこで、両親にも分かる例を出しました。
「カレーを作るときに、ニンジンを先に入れてから、次にジャガイモを入れるという順番があるよね。
しかし、間違えてジャガイモから先に入れてしまった。
火が通りにくいニンジンから先に入れないと、カレーを上手に作れないでしょ」。
そんなカレーに見立てた話し方をしました。
すると「なるほど。たしかにそれはいけないな」と理解してくれたのです。
言いたいことは同じです。
「順番を間違えたため、よくない出来事につながった」と言いたいだけです。
両親にも分かる例を出して話をすればいいのです。
説得力が加わり、納得してくれます。
話をするときには、例を出して話をすることです。
専門用語がなくなるだけでも変わります。
一部の人にしか分からない話も、分かりやすい例えを使って話ができれば、すべての人に通じる話へと変わります。
ささいな工夫なのです。