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『日本を読む』 23
日期:2016-03-18 15:16  点击:398
赤い傘の女
 
 ある日小林さんが山のなかを一人でラジオを聞きながら運転していました。長時間一人だったので退屈で仕方がありませんでした。「誰かが一緒にいたら、話ができていいんだがなあ、、、、、」と思っていたら、ちょうど一人の女性が赤い傘をさして歩いているのが見えました。
 
 「しめた?!?」小林さんは早速車を止めてたずねました。「お嬢さん、よろしかったら、お乗りになりませんか?」
 
女性「それは助かります。麓の町まで連れていって下さいませんか?」
と言って、車の後ろの席に座りました。
 
小林「町に用事があるのですか?」
 
女 「ええ、今日はお盆なので、町に住んでいる両親に会いに行くのです」
 
小林「よく御両親にお会いになるんですか?」
 
女 「いいえ。年に一回、お盆の時だけです」
 
小林「御家族はどちらにお住まいですか?」
 
女 「娘が一人いますが、両親と一緒に住んでおります」
 
小林「じゃあ、お嬢さんにも年に一回しか会えないわけですか?」
 
その女性はそれを聞くと、しくしく泣きはじめてしまいました。
 
「あんまり個人的なことを聞いてしまって申しわけありません。あっ!もう町ですよ。どこに車を止めましょうか?」と言いながら小林さんがバックミラーを見ると、後ろに座っているはずの女性の姿がどこにも見えません。「変だなあ。途中で降りたのかなあ」と思い、またラジオを付けると、ラジオのアナウンサーが、「今年もまたあの有名な幽霊を見たという人から電話がありました。三国峠(みくにとうげ)から山口町(やまぐちまち)まで女の人を乗せた人が山口町でその人を降ろそうとしたら、女の人の姿が消えていたとのことです。いろいろな人の情報に基づいて考えると、その女性は三年前に三国峠で赤い傘をさして歩いていた時に交通事故で亡くなった大町(おおまち)京子(きょうこ)という人のようです。大町さんは事故の時意識不明のまま病院に運ばれましたが、うわごとで御両親とお嬢さんの名前を何度も呼んでいたそうです。たぶん御両親とお嬢さんを残して死にたくなかったのでしょう。お盆になると、大町さんの霊が山口町に帰ってくるのかもしれませんね。赤い傘をさして歩いている女性を見たら、気をつけましょう」と言っていました。
 
 小林さんはそれを聞くと、恐怖のために体が動かなくなってしまいました。小林さんがあの女性を車に乗せたのは三国峠で、降ろそうとしたのが山口町だったのです?!?!
 
 [ 退屈(たいくつ)で仕方(しかた)がない to be hopelessly bored   しくしく泣(な)く to weep quietly (i.v.)   個人的(こじんてき)なこと personal (private) matter   申(もう)しわけない “I have no excuse (for my acts)″ =I am sorry   意識(いしき)不明(ふめい) unconscious, comatose ]
 
☆ 次の質問に答えなさい。
 
1.小林さんが女の人に会ったのはどこですか。
 
2.女の人が行きたいのはどこですか。
 
3.小林さんが女の人に会った日はどんな日ですか。
 
4.女の人が座ったのは車のどこですか。
 
5.女の人はどうして麓の山口町へ行くのですか。
 
6.女の人の家族には誰がいますか。
 
7.女の人の家族はどこに住んでいますか。
 
8.小林さんが女の人に、「お嬢さんにも一年に一回しか会えないのですか」と言った時、女の人はどうしましたか。

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