石垣島と西表島の間に広がる日本最大のサンゴ礁「石西礁湖」や名蔵湾などで、サンゴの白化現象が進んでいることが25日、環境調査会社の調べで分かった。連日の強い日射で、水温の高い状態が続いていることが原因とみられている。専門家は「高気圧の張り出しが今後も続けば、県内のサンゴの半分以上死滅するのではないか」と危惧している。
環境調査会社「海游」(石垣市)の吉田稔代表によると、約2週間前に同海域で白化を確認。海域によっては水深5メートル前後の浅い場所で数キロにわたって白化は進み、水深がより深い所でも白化が見られる。
環境の変化に弱いミドリイシ類やトゲサンゴは比較的白化が進み、変化に強いとされるハマサンゴも白化し始めている。石西礁湖の全域で確認されているが、そのうち約2割は進行の度合いが高いという。
沖縄気象台によると、沖縄地方は6月16日の梅雨明け後、太平洋高気圧に覆われて晴れる日が多く、海水温が高い。台風1号が接近した際、一時的に平年値の29度まで下がったが、台風通過後は再び水温が上がり始め、30度を超える日が続いている。
県内では1998年8月、台風の接近が少なかった影響で海温が高くなり、県全域で大規模な白化現象が見られた。吉田代表は台風の少なさや水温の高さが98年に似ているとし「この状態が続くと深刻な状態になる。県内のサンゴの半分以上死滅する可能性がある」と指摘した。