もとは玉梓(たまあずさ)といいました。手紙を携えた使者が梓の杖を持っていたことから、使者をさす言葉になり、やがて、相手からの手紙を敬って口にする時にも、こういう言い方をするようになったということです。やがて「たまずさ」となり、漢字も「玉章」を当てるようになりました。
梓の木は、木目が細かいので、中国では版木に用いたのだそうです。
「梓にちりばめる」といえば、出版するという意味になります。上梓という言葉も同じ由来です。ちなみに、日本では、版木として桜の木を使ったそうですが、上桜とはいいませんね。
最近は、手紙を書くことが少なくなりました。一文字一文字に心をこめることができるということが、手紙ならではのよさのはず。話し言葉ではなく、改まった言葉だからこそ伝えられることもあると思います。