「しし」とは、けもの一般をさしていう言葉です。肉のことを「しし」といったことから、主に、肉を食用にした猪や鹿をさすようです。「鹿」の漢字を当てているのも、そういったことからでしょう。
田畑を荒らすけものたちを追い払うために作られた添水(そうず)、鳴子(なるこ)、威し銃(おどしじゅう)など、すべてを鹿威といいます。
日本庭園などで聞かれる、水を通した竹筒が石を打つ音。これは、本来は、添水と呼ばれるもので、僧都(そうず)とも書きます。
静かな空間に、コン・・・・・・コン・・・・・・と刻むリズムは、心地よいやすらぎをかもし出してくれるものですね。こんなにやさしい音で、けものを追い払ったなんて、心のゆとりを感じます。自然と共存していた人々だからこそ、こんなに自然に溶け合う音を作り出せたのでしょう。