「綺」は綾織りの絹、「羅」は薄い絹織物のことです。かつて高貴な人々が身に着けた美しい衣装を思い浮かべてみてください。庶民が麻の着物を着ていたころ、綺羅の衣装はどんなに華やかで美しく見えたことでしょう。「綺羅を飾る」「綺羅を磨く」といえば、美しく装うことです。
「綺羅星(きらぼし)のよう」ともいいますが、「綺羅星」という名前の星があるわけではありません。もとは、「綺羅、星のごとく・・・・・・」という言葉でした。「綺羅星」で区切るのは間違いだったのですね。
綺羅を身にまとった人々が、星のようにたくさん居並んでいる様子は、きっとまばゆいばかりの輝きだったのでしょう。やがて、立派な人や美しい人がたくさんいる様子を表す時に使われるようになりました。
まさに、地上の星です。