目をかけて引き立てることを「贔屓する」、後援者のことを「ご贔屓」といいますが、その贔屓、実は架空の動物です。
龍には九匹の子供がいましたが、どの子も龍にはなれませんでした。そのうちの一匹が贔屓です。
顔は龍で、体は亀。重たいものを背負うことを好んだことから、記念碑などの台座に彫られるようになり、やがて力を込めて踏ん張るとか、支えるという意味になりました。
もともと「ひき」と読まれていたので、「引き」とも重なったのでしょう。
好きで背負っているとはいえ、重たい石碑を支えているのですから、贔屓も相当大変そうです。
それでも龍になれなかった夢を抱え続けていくのかもしれません。