消費と呼ばれている行為は、その中身から言えば、生きていくのに必要なものを使うことですね。私たちは衣食住その他に、さまざまなものを使います。しかし、そのことを「消費」と呼ぶのは正しいか。正しくないと、言うべきです。なざなら、人は食べ物を食べることによって、自分の身体を生産しているのです。なるほど、食べ物の形は消えてしまいます。しかし、それは私たちの生命としてよみがえっているのです。衣服を身に付けることはどうか。それは体温を維持させることによって命をつくり出すだけでなく、他人にあたえる私たちの印象を生産しています。このように、消費と呼ばれている行為は、私たちの命と生活を、そして、次の世代の人間を生産する行為です。それなのにそれを消費者と呼ぶのは、物の生産者の側から見た言い方にすぎません。
「問い」「行為の中身からひどくズレています」とあるが、筆者は行為の中身をどのように説明しているか。
1 生産者の立場に立って経済を支えること
2 ものを使うことで、何かをつくり出すこと
3 生産的な行動に従事して一日を終えること
4 ものを使って、その形を消してしまうこと
「問い」筆者は衣服にどのような役割があると述べているか
1 体温を一定に保つだけでなく、着る人に満足感をあたえる
2 次々に新たな流行を生み出し、人々に消費行動を促進する
3 着る服の人柄や個性を引き出すことで、生活をより充実させる
4 生命を守るだけでなく、他者に対する自分のイメージを創造する
「問い」筆者が消費に対しての理解は最も近いのはどれか
1 消費というのはただ消して費やしてしまうこと
2 消費という言葉は経済用語には必要な言葉である
3 消費という行為は生きていくのに必要なものを使ってしまうこと
4 消費という行為は人間の生命や生活を次の世代に人間を生産する行為だ
一級短文読解(37)
日期:2016-09-11 09:04 点击:351
消して費やしてしまう、使って無くしてしまう━━━━どうも消費という言葉のイメージは前向きではないですね。消費者という言葉も、そう。生産者と対比して、消極的なイメージがつきまとう。消費者という言葉は、経済用語のなかでもっとも不適切な一つだっと私は思います。行為の中身からひどくズレています。
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