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一級短文読解(45)
日期:2016-09-11 09:10  点击:394
  始発駅に電車が入ってきた、やがてドアが開くと、並んでいた客たちは目の色を変えて座席になだれ込む。自分さえ座れば、他人のことはどうでもよい。客たちの振る舞いはなかなか素早く、かしこい。
  ホームで並ぶというルールは、共同体の道徳から来ている。この道徳を言ったり守ったりさせているのは損得の判断、つまり知性だと言える。ホームのような場所で利己的に振舞うことによる身の危険を知性はよく知っている。だから、私たちホームで行儀よく並ぶ。ドアが開くまでは我慢して並ぶのである。
  ①電車で席を譲ることと、ホームで並ぶこととは本質的に違う。自分の利益を考えて席を譲るのではないし、「お年寄りに席を譲りましょう」という指示に従って譲るのでもない。言葉のない何かしらの内なる声に引っ張られ、人は自発的に席を譲るのである。
  それは共同体に道徳をもたらす元の力であり、この力にはまだ言葉がない。この力は、「人間が生きていくには共同体が要る」という事実から生まれている。この力は潜在的ではあるが、抽象的ではない。そこから知性を越えた「仲間を助けよう」という本能的な欲求が突然生じるのである。群れの中に生まれ落ちた人間という知性動物の論理の原がまさにここにある。

「問い」「①電車で席を譲ることと、ホームで並ぶこととは本質的に違う。」とあるが違いはどれか。
1 前者は道徳をきちんと守り、後者は自分の利益を考えない
2 前者は自分の利益を考えるしかないが、後者は自分の利益を考えない
3 前者は自発的で、後者は判断できない
4 前者は損得が判断できるが、後者は判断できない

「問い」「論理の原液」とあるが、その説明として正しいのはどれか
1 個人の心の中にある社会の役にたちたいという欲求である
2 人を含む生き物が自分の身を守ろうとする自分保存の本能である
3 人間という知性動物がもつ、集団に適応しようとする欲求である
4 集団を作ってしか生きていこられない人間の心に潜む相互扶助の欲求である

「問い」日本人は礼儀正しくホームで並ぶ理由、最も近いのはどれか
1 本能的な欲求が生じたから
2 道徳を守るので、自発的に並ぶ
3 公共場所で利己的に振舞うことをしたら身の危険をよく知っているから
4 共同体の道徳があるから、並ばなければならない
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11/02 08:29