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一級短文読解(90)
日期:2016-12-06 09:19  点击:381
  数学に弱い。あきれるほど弱い。(略)
  私がもっともよく受ける数字系質問は「一日、もしくは①一カ月に、何枚の原稿を書くか」である。最初にこの質問をされたときは、社交辞令というか、会話のつなぎ目のあまり意味のない質問だと思い、「さあ?」と受け流していたのだが、しかし必ず、「一日十枚?二十枚?月算五百枚はいくか?」と、相手は質問を続ける。答えなければならぬと焦り、えーとパソコン画面の一枚が原稿用紙三枚で……と指を折って数え、次第に胃が痛んでくる。私は未だに、一カ月何枚の原稿を書くのか、自分では知らない。
  「②今まで何カ国を旅したか」という質問もある。これまた数である。十九歳で初めて旅した場所から、順を追って数えはじめるのだが、私は場面を思い出さないと数えられない。タイならタイのある風景、そのときの服装や髪型から割り出した自分の年齢を組み合わせてようやく「ひとつ」と数えられるので、正確に答えようとすると記憶があふれ出してたいへんなことになる。「えーと、あの、三十カ国ほど……」と答えが出るのは翌日の午後くらいで、もちろんそこまで質問者は待ってくれない。
  数をあらわす言葉が「ゼロ」「ひとつ」「たくさん」しかない民族の話を聞いたことがある。私はそれに憧れる。それなら私も胸をはって答えることができるのだ。一カ月書く原稿の枚数は、ひじょうにたくさんです、と。
 
「問い」筆者は、①「一カ月に、何枚の原稿を書くか」という質問に対して、どのように対応していますか。
1 指折り数えて、できるだけ正確に答えている
2 胃が痛くなるほど書いている、と答えている
3 社交辞令として、適当に五百枚程度と答えている
4 答えようと努力はしてみるが、答えられずにいる
 
「問い」筆者は、なぜ、②「今まで何カ国を旅したか」という質問に答えようとすると大変なことになる、と言っていますか
1 記憶と力が悪くて、正確に答えるためには、過去の資料を全部見直すことが必要だから
2 数えるにあたって、旅行の場面をいちいち思い出さなければならないから
3 どう答えたら相手に良い印象を与えるかを、細かく考えてしまうから
4 質問の答えを翌日まで待ってもらえるよう、お願いしなければならないから
 
「問い」文章の最後で紹介されている民族について、筆者の考えと合っているのはどれですか
1 もし自分がその民族の社会にいたとしたら、数字系質問に答える際の苦痛から解放されることだろう
2 もし自分がその民族の社会にいたとしたら、数字系質問に具体的に答えられたという達成感が得られることだろう
3 もし自分がその民族の社会にいたとしたら、数字系質問にあやふやに答えているという(注)後ろめたさを感じるだろう
4 もし自分がその民族の社会にいたとしたら、数字系質問に正確に答えられるかもしれないという希望が持てるだろう
 
(注)後ろめたさ:申し訳ないと感じる心持ち
 

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