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一級短文読解(98)
日期:2016-12-06 09:51  点击:360
  私は常識というものを、いつも一時しのぎの仮りの宿のようなものだと思っている。私は自分の計算した、自分の空想した、自分の設計した家を作って、①その中に住みたいと思っている。そして私はたとえば、私の仕事場のようなところについては、計算し、設計することがほぼ出来るようになった、と思っている。私はほぼ自分で作ったアイディアに従って、仕事をし、その中に他人を立ち入らせず、そこへ入って来る人は、私の考え方理屈を理解しなければならないように仕向ける。しかし、私は仕事場だけで生きているわけには行かない。
  私の周りには、日本の習慣、日本の伝統、日本の常識を軸にして生きているところの家族、同業者、隣人、などがいる。私は(注)米俵の中の一粒にしかすぎないのである。そしてその②外界とともに生きその中に生活の糧をさがさなければならない。私は、自分の考え、という特有の匂いや動きかたを、どうすれば確立することができるだろう。私が仕事場だけを切り離して作った、と思っているのも、実は私の幻想かも知れないのである。私は単に、その外界と調和し、妥協する方法を考えたのかも知れない。③そう考えると私は自分を
失ったような、元来持っていなかったような怖れを感ずる。
 
 
「問い」下線①「その中」とは何の中か。
1 一時しのぎの仮りの宿
2 日本の常識
3 日本の伝統的な家
4 自分が思うように作った家
 
「問い」下線②「外界」とは何のことか。
1 米俵の外の世界
2 家族、同業者、隣人の外の世界
3 日本の常識が通用しない世界
4 私のまわりの私以外の世界
 
「問い」下線③「そう考える」とはどう考えるのか。
1 自分が作り出した自分だけの世界を、外界と調和させ、妥協させるのは実際には難しい可能性がある
2 自分が作り出した自分だけの世界だと思っていたものは、実際には存在しなかった可能性がある
3 私の世界を外界から切り離そうとしていたのに、実際には外界に調和し、妥協する結果となった
4 自分特有の考え方を確立しようしているが、実際には外界に調和し、妥協しなければならない
 

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