自分の仕事をどのようにして決めるか。現代のように選択肢が多いと、迷っている時間が思いのほか長い。その「迷い時間」を本当に①惜しいと思いますね。仕事に正面から向き合わずにいると、奥へ踏み込んでいくことができない。中にある面白い領域に届かない。
慎重になったり不安になったりするのは後回しにして、とにかく目の前のチャンスに一歩足跡をつけようと言いたいですね。今いろいろ考えるのではなくて、走り出せ。良しあしは後から嫌でも考えられる。
ジョッキーである私には、競馬にかかわる多くの人からアンカーとしての大きな期待が寄せられる。馬券を購入してくださるファンの期待も大きいことはよく承知しています。でも、②そのひとつひとつを数えても仕方がない。私はこの体を使って、馬とひとつになって走ることだけを考えるのです。私のベストを引き出せるのは、私しかいないから。
生意気だと言われるかもしれませんが、誰にどんな言葉を贈られても、どのようなプレッシャーをかけられても、私を100%知っているのは私しかいない。それは、動いてきたからわかる。やってきた仕事は自分のもの、苦しんだ経験も自分だけのもの。動いていけば③そういう財産が蓄えられていくのです。
「問」①「惜しいと思います」とあるが、それはなぜか
1 迷っている間に年をとってしまうから
2 ほかにもいい仕事があるかもしれないから
3 仕事の面白さをなかなか知ることができないから
4 仕事が決まらないと収入が得られないから
「問」②「そのひとつひとつを数えても仕方がない」の説明として、最も適当なものはどれか。
1 ファンの数が増えたかとか、減ったかとかを数えても意味がない
2 どのぐらい馬券が売れたか、それを一枚一枚数えることができない
3 今までどのぐらい期待にこたえられたかふりかえっても意味がない
4 期待にこたえられるかどうか考えてもいい結果は出ない
「問」③「そういう財産」とは何か
1 人から贈られたほめ言葉
2 周囲からかけられる期待
3 仕事で得ることができたお金
4 仕事を通して得た精神的な力
「問」この文章につけるタイトルとして、最も適当なものはどれか
1 まず動き、後から考えろ
2 自分の道を急ぎすぎるな
3 ほかにも選択肢はある
4 踏み込む前に考えろ